典型的な“スパ・ウェザー”に翻弄されたベルギーGP。フェラーリのミハエル・シューマッハーは、そのレースにおいて、BARホンダの佐藤琢磨がアクシデントを起こしたことで両者をリタイアに追い込んだとして、琢磨を激しく攻撃している。
シューマッハーはドイツのテレビ局に対し、次のように述べた。
「僕らはこれまでも彼の“ハラキリ”行為に巻き込まれているが、またしても今日、やられてしまった」
「その行為については、僕らは以前にも彼と話をしたのにね。彼にはどういった治療法が有効なのか、僕には分からないよ」
シューマッハーの腹立ちはフェラーリのピットに戻っても収まらず、このアクシデントを“いつも以上に無益なもの”と称している。
「アクシデントというものはいつも不必要だけれど、今回のはいつも以上に無益なものだった。当然心外に思っているよ。僕には何も見えなかったんだが、いきなりリヤに衝撃を感じた。複雑なコンディションのおかげで僕らにもチャンスがあったかもしれないのに、こんな風にレースを終えなきゃならないなんて馬鹿げている」
2回目のピットストップが彼のチャンスを駄目にしたのでは、という意見があったが、シューマッハーはそれを否定している。しかし、テクニカルディレクターのロス・ブラウンは、チームが最初のピットストップで“間違いを犯した”ことを認めた。
「今日(決勝当日)は、チャンスが何度となく現れたのに、自分たちのところに舞い込んだチャンスを全て活かしきることができなかった」とブラウン。
「レース序盤はポジションを守ったが、我々はそれほど強くはなかった。そこでセーフティーカーが導入された時、今こそがチャンスだと思い、ミハエルのマシンにドライタイヤを装着した。だが、すぐに彼は、ドライタイヤでは運転できないと悟ったんだ」
「ラップタイムを見たところ、ドライタイヤが使えるように思われたんだが、どうしたわけかうまくいかず、急いでタイヤを戻さざるを得なくなった。その後はサトウとのアクシデントで、一巻の終わりだったよ……」