ザウバーのジャック・ビルヌーブはオールージュについて、おそらくF1で最もエキサイティングなコーナーだと語る。
今週末スパで開かれるベルギーGPを前に、1997年世界チャンピオンである彼はまた、オールージュを全開で走ることはラップタイムの短縮に必ずしも必要ではなくとも、生きている実感を与えてくれるのだという。
「スパは最高のトラックさ!あそこでは何度か危険な冒険をした記憶がある。僕にとってそれが吉と出たことは一度もないけれどね」
「各コーナーを全開で抜けることで他よりも強くなったと感じられるトラックなんだ。いま残る数少ない高速サーキットのひとつであり、1ラップの全長がとても長い。地形を生かしたレイアウトで、リズムがいい。山がちなためコーナーがある、つまりあのレイアウトには理由がある」
「超近代的トラックのようではないんだ。近代的なトラックというのは、まるでパイロンを並べた駐車場のように、道理もリズムもなくできるだけたくさんのコーナーを作ろうとする。だがここには、道理もリズムもある。山間を抜けて自分の家までドライブするみたいな感じなんだ!」
「オールージュはたぶん、近代F1で最もエキサイティングなコーナーだ。登り始めはちょっと左にねじれてから右に曲がり始める。ずっとすごいGがかかりながら車の底が地面にこすれるので、車が少し横を向きそうになるんだ。また、コーナーの出口は見えないので、とにかくただ右に曲がって急に左に切るだけ。そこまでいくと車がものすごく軽くなったみたいに感じるようになる。そこまでずっと全開だよ!本当に走るのがエキサイティングなコーナーだ」
「あそこで全開にしたからといって実際はラップタイムを縮められるわけではないのだが、そうすることで誇りを感じられる。プライドなんて馬鹿らしいが、でも大切なことなんだ!」
一方、チームメイトのフェリペ・マッサはスパ−フランコルシャンを、カレンダー中のベストサーキットと評する。
「スパはすばらしいサーキットだ。またそれだけでなく、去年僕は4位に入ってベストフィニッシュを決められたからね。今でも間違いなくベストサーキットであり僕のお気に入りだよ」
「スパを特別なものにしているのはオールージュだけではないけど、今年は2004年と比べてダウンフォースが減っているから、あのコーナーがどんな感じになるのか興味深いね。それでもやはり全開かもしれないが、簡単にはいかなくなるだろう。それに他にも高速コーナーがあるし、ここではドライバーがコクピットの中で本当にいつもと違うことができるのも面白い」