ドイツGP初日フリー走行は、例年に比べるとかなり涼しいコンディション下で行われ、Lucky Strike B・A・R Hondaの2台は順調に初日のプログラムを消化した。
前日の予報では雨模様ということだったが、1回目のフリー走行が始まる頃から、晴れ間が広がっていく。とはいえ、この時点での気温は21℃、路面温度も29℃と、前年のホッケンハイム初日が30℃を超える夏日だったのと比べ、涼しいコンディションだ。午前中最初のセッションは、バトンと佐藤で別々のタイヤスペック評価を主に行ない、バトン4番手、佐藤は9番手タイムだった。
午後もほぼ同じような気象条件。次第に雲が低く立ち込めてきたものの、セッション中はドライコンディションでの走行となった。コース路面に次第にラバーが載り、グリップ性能が向上する中、バトンと佐藤の2人は10周前後の走行でタイヤの耐摩耗性などを確認する作業を繰り返す。そして午後のフリー走行セッションはバトン13番手、佐藤18番手と、タイムは最初のセッションに対して伸びなかったものの、バトンが26ラップ、佐藤が27ラップと、両ドライバー共に精力的に周回を重ね、順調に初日のプログラムを消化した。
■ジェンソン・バトン
「幸先の良いスタートを切れたよ。いつも通りの、金曜日に予定しているテスト走行とタイヤの比較を全部できたからね。マシンの挙動はまずまずだよ。日曜日の天気予報は今日と同じような涼しくて曇りの天気だし、今日は路面状況についての良いデータを収集できたよ」
■佐藤琢磨
「今日は2回のセッションとも上手く行き、たくさんの距離を走り込めました。気温が低かったこともあり、グリップ不足には多少悩まされました。マシンのバランスは悪くないので、明日に向けてもっと速さを引き出せるよう頑張らないといけません。でも全体的に、週末に向け良いスタートを切れたと思います」
■ジル・ド・フェラン B・A・R Hondaスポーティングディレクター
「全体的に見て、今日はまずまずの仕事の出来だった。ここでも、レースに向けたセットアップ作業とタイヤ評価に専念した。雨の予報が出ていることもあり、多くのチームが異なるプログラムで2回のセッションに取り組んでおり、我々の速さを見極めることは難しい状況だった。その一方で、2人のドライバー共にマシンに良いフィーリングを感じているようなので、明日はペースを上げることができることを願っている」
■中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリング・ディレクター
「今日は2台揃って順調に距離を伸ばせ、予定していたプログラムを消化できました。今日収集したデータを元に、日曜日に良いレースをできるよう、セットアップを詰めていきます」