F1ドイツGPの木曜記者会見に出席したジョン・ハウエット(TMG社長)、ノルベルト・ハウグ(メルセデスベンツモータースポーツ副代表)の両氏は、現状では3リッターV10エンジンの方が2.4リッターV8よりもパフォーマンスが高いと認識しつつも、V8エンジンの開発に全力を尽していることをコメントした。以下が、会見でのやり取りとなる。
Q:ふたりのマニュファクチャラー代表にお訊ねしますが、V8とV10についてどうお考えですか?今週のイギリスのオートスポーツ誌に、V8は競争力の点でV10に劣り、V10の方がいいだろう、という記事がありますが、それに対するご意見は? 個人的に、V10に将来性はあると思いますか?
ジョン・ハウエット(JH):最終結果について話をするのは時期尚早だ。2.4リッターV8エンジンと3リッターV10エンジンの比較基準が定義されてはいないからね。つまり、パワーが同じならば、トルクが中レベルにあるV10の方がいいと考える確率は高いだろう。私の見地からすれば、レギュレーションの趣旨はこの先2、3年にわたって2.4リッターV8エンジンを使うことにあるから、我々はそのエンジンを開発することに全力を注ぐまでだ。
ノルベルト・ハウグ(NH):ジョンの言うとおり、V10のどこに限界を置くかで違ってくる。ルールは理解しているが、(パワーが同じなら)V10は有利になり、V8は劣ってしまう。これが(V8をテストする際の)現状ではあるが、回転数やエアリストリクターなどで異なるし、何を計画するかでも違ってくる。基本的に、重量、燃費、パワー、運転しやすさといった点でV10の方が優れてはいるが、私やエンジン開発に関わる人々の共通認識として、現状ではV10の方が優勢なのでV8には不利だろう、というのがある。
Q:あなたの考えではV10に将来性はありますか?
NH:現在のところはない。