今季思いがけなくF1に乗ることになったパトリック・フリーザッハーだが、残りのシーズンもミナルディにとどまるために必要なスポンサーをなかなか見つけられず、シート喪失の危機にさらされているようだ。
フリーザッハーは、ニコラス・キエーサがF1に復帰するための資金調達に失敗したことで、クリスチャン・アルバースの同僚の座を獲得したのだった。しかし今度は、自分がシート喪失の危機に見舞われているらしい。次の週末のドイツGPを前に追加資金を見つける必要に迫られているためだ。皮肉なことに、ドイツGPは彼の母国に一番近いところでのイベントだ。
「パトリックが次のレースで、別のドライバーと交代する可能性は高い。スポンサーマネーが支払われていないためだ」とミナルディ代表のポール・ストッダートは、ロイター通信に対して語った。
ストッダートは、シートを引き継ぐドライバー候補が誰なのか、名前を挙げることはしなかった。しかし、24歳のフリーザッハーに代わるドライバー候補が3人検討されていることは認めたようだ。昨年のドライバーであるゾイト・バウムガルトナーもジャンマリア・ブルーニも今年は残留しなかったが、ブルーニが現在GP2シリーズの上位で活躍している一方で、バウムガルトナーはすぐにでもドライブできる状況であり、アメリカGPではチームのゲストとなっていた。ハンガリー人のバウムガルトナーは、少なくともこの先2戦では、理想的なドライバー候補といえる。シーズン前半は、7月最後の週末にハンガロリンクで山場を迎えるからだ。
もっと長期的に考えると、ストッダートは、イスタンブールで初開催されるGPに向けて、トルコ人ドライバーの起用も考えるつもりがあることを認めた。しかし、GP2のバックマーカーであるキャン・アルタムくらいしか候補者はおらず、彼は第3ドライバーとして起用されることになるかもしれない。今季ミナルディが第3ドライバーを起用するのは初めてのこととなる。
フリーザッハーの後任候補としては、そのほかに、現在F1で“第3”ドライバーを務めるフランク・モンタニー、アンソニー・デイビッドソン、アントニオ・ピッツォニア、ロバート・ドーンボスらがいる。しかし、最初の3人は上位チームに所属しており、実戦に出場できる貴重なチャンスではあっても、最後尾のチームに移るチャンスに飛びつくというのはありそうもない。