金曜日のラルフ・シューマッハーのフリー走行中のクラッシュによって浮上したミシュランタイヤの問題だが、アメリカGP決勝レースはブリヂストンユーザー6台のみによるレースがスタートするという形となってしまった。
金曜日のフリー走行でトヨタのラルフ・シューマッハーが、タイヤが原因と見られるクラッシュにより、ケガはなかったものの大事を取って欠場。代役としてリカルド・ゾンタが出走することとなっていたが、タイヤの耐久性には不安を抱えたまま。ミシュランのタイヤはオーバルコースの一部を使う、インディアナポリスでの耐久性が不十分(10周程度しかもたないともいわれている)として、急遽、別のタイヤを本国フランスから空輸の手配をとったが、これは予選日までには間に合わない。そのためミシュラン側はFIAに対する書面で、根本的な原因が究明できないトラブルであることから特別に、予選後、決勝スタートまでにタイヤの交換が可能になるように求めていたが、FIA側はルールに則って予選後のマシンの仕様変更を認めなかった。
そのため代替案としてターン13にシケインを設置するという提案も行ったが、これでは選手権がかからないノンタイトル戦となってしまうという見方も出ていた。FIA側からはミシュランユーザーに対して「10周ごとにピットインを行うか、そうでなければ、ターン13ではタイヤがもつようにゆっくりと走るように」とアドバイスをしたともいわれていた。
結局、コースを見る限りはっきりとわかる、シケインが設置されないということ以外はアナウンスがないまま、フォーメーションラップがスタート。しかしフェラーリ、ジョーダン、ミナルディ以外はグリッドにつかず、ピットへ向かう。わずか3チーム6台によりアメリカGPは開始。広いコースをたった6台、トップチームは2台のみというフェラーリの優勝が約束されたようなレースにアメリカの観客は大ブーイング。ものを投げ込んだり、開始早々に帰る人も現れている。見る側にとっては辛い辛いレースが海の向こうで行われている。