アメリカGP予選で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは3番手、セカンドローを獲得。佐藤琢磨は8番手タイムで、明日のレースは2台揃って上位グリッドから、表彰台獲得に向けスタートすることとなった。
2日目午前のフリー走行は、複雑な展開となった。前日、トヨタの2台のマシンの左後輪が立て続けにパンクしたことを受け、ミシュランはB・A・R Hondaを含む全ミシュランタイヤユーザーに対して走行の制限を要請。そのためミシュランタイヤ勢は、満足に走り込めないまま3回目のフリー走行を終えることになった。B・A・R Hondaの2台も限られた走行条件の下、バトンと佐藤の2人は重量配分の違いやタイヤの耐久性を考慮した別々のセットアップメニューを実施。連続した走行やタイムアタックはせず、インフィールド区間でマシンバランスの確認を行った。
4回目セッションでは、引き続きセットアップ作業を進めながらタイムアタックを行い、バトンは総合2番手、佐藤も5番手タイムを記録。その後、それまでに試したセットアップの中からベストな組み合わせを見出し、予選とレースに向けてマシンのセットアップをまとめあげた。
午後1時からの予選は、気温24C、路面温度41Cというコンディションで始まった。7番目に出走の佐藤は、低速のインフィールド区間でその時点で最速タイムをマーク。高速区間で若干伸び悩んだものの、1分11秒497のタイム。予選前半に出走というハンデを跳ね返して、最終的に8番手、4列目グリッドを獲得した。
佐藤の2人あとに出走したバトンは、最初の区間から最速タイムを叩き出し、快調な滑り出し。1分11秒277のタイムを叩き出し、暫定トップタイムをマークした。そして全ドライバーが走り終わった時点で3番手、明日の決勝レースはセカンドローからスタートすることになった。
ジル・ド・フェラン B・A・R Hondaスポーティングディレクター
「今日は実り多い1日だった。昨夜の間にマシンのセットアップを幾つか変更し、今朝は2台を異なるセットアップで走らせた。その結果、ジェンソンのセットアップ方が望ましいという結論に達した。それまで試してきたセットアップと異なる慣れない状態のマシンながら、琢磨は予選で良く頑張り、ジェンソンも3番手を獲得した。今日の結果は満足できるものだし、明日のレースはポジティブな気持ちで臨むことができる。タイヤの状況に関しては、ミシュランの決定に沿って対応するが、我々は彼らの判断を信頼している」
中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリングディレクター
「今日は予選で両ドライバーとも良い仕事をしてくれたおかげで、良い1日になりました。今週末は、この速さをポイント獲得に結び付けるよう頑張ります」