ヤルノ・トゥルーリは、モナコとニュルブルクリンクの連戦だけでは物足りないとでもいうかのように、モンツァとシルバーストンでもテストを行い、忙しく飛び回る2週間を過ごした。
同僚のラルフ・シューマッハーも活動していたが、トゥルーリは、先週行われた2度のF1合同テストに少なくとも1日ずつは参加してみせた。このテストで、トヨタは北米2連戦とイギリスGPに向けて、集中的な準備を行った。
「まったく忙しい週だったよね!」とトゥルーリは笑った。
「マシンの中でも忙しかったよ。水曜日にはモンツァで500km以上を走ったし、それからイギリスへ飛んで、初日に100周以上走ったんだ。イギリスGPに向けて、大がかりなタイヤテストのプログラムに取り組む必要があったからね」
シルバーストンもモンツァも高速コースといわれているが、トゥルーリによると、カナダとアメリカへの長旅を前に、無理をしてまで両方でテストをしたのには意味があるという。
「モンツァとモントリオールには、かなり似たところがあるんだ。もちろんモントリオールは、僕らが次のレースをするところだよ」とトゥルーリは説明した。
「どちらのコースにも、たくさんの高速部分があるし、ヘビーブレーキングの箇所も多い。だから僕らは、1日だけでもモンツァに行く価値はあると思ったんだ。カナダに向けて、空力の作業に集中したし、インディアナポリスに関連したタイヤテストも行った。充実した一日で、プログラムをすべてこなせたよ」
計画されていたシルバーストンテストは、典型的なイギリスの天候のせいで、それほどうまくはいかなかった。しかしそれでも、トゥルーリはイギリスGPの準備を進めることができた。
「初日のコースコンディションは、理想的とは言えなかった。路面がかなり“グリーン”であまりグリップがなかったからね」とトゥルーリは打ち明けた。「そのせいで、パフォーマンスの比較テストをしているときに、状況がちょっと分かりにくくなってしまった」
「金曜には、さらにタイヤ開発の方に集中した。今度はもっとロングランを行って、いくらかいい結果が得られたよ。午前中には、念のためにエンジンを交換して、いくらか時間をロスしてしまった。それから、イギリス特有の天気にも影響を受けた。それでも、午後には、インターミディエイトタイヤでいくらか走れたけれどね」
トゥルーリは、シルバーストンで同僚のラルフ・シューマッハーに合流し、2人はテスト最終日をキミ・ライコネンに続く2位と3位のタイムで終えた。