GP2に参戦中のアメリカ人ドライバー、スコット・スピードは、シルバーストンでレッドブルのテストを行い、天候には恵まれなかったもののチームを納得させるだけの周回数をこなし、カナダ、アメリカの両GPでのサードドライバーの座を射止めた。
3月と4月のレースの合間に、以前もレッドブルのテストを行ったスピードは、マイケル・アンドレッティがマクラーレンで1993年に走って以来のアメリカ人F1ドライバーとなる。スピードはGP2シリーズではコンスタントに上位を走り、開幕からの7レースで表彰台に上った数少ないドライバーのひとりとなっている。
「レッドブルのジュニアドライバーであるスコット・スピードが、モントリオールとインディアナポリスでの金曜朝の走行でサードカーを走らせることに決定した」とレッドブルのスポーティングディレクターであるクリスチャン・ホーナーは発表した。「スコットはかなりの間アメリカから外に出て活躍している才能にあふれたドライバーだ。彼のヨーロッパでの実績は特に印象的だった。カナダとアメリカでのレースの時期、GP2のレースは開催されない。彼の成長をこれからも見守っていくつもりだ」
スピードは、今週の金曜日に、ジル・ビルヌーブ・サーキットで、デイビッド・クルサード、そして久々に復帰するクリスチャン・クリエンとともにラインナップされることとなる。スピードは、スタートが待ちきれないと語っている。
「信じられないチャンスだよ」とスピードは喜びを隠さない。「僕にとって2つ目のグランプリが自分の母国で行われるということを別としても、大観衆の前でF1マシンをドライブできるなんて本当にエキサイティングだ」
「モントリオールもインディもドライブしたことがないからすごくいい経験になると思う。何が起きるか分からないけど、一生懸命仕事をするよ。興味を持ったメディアが来るかもしれないけど、そんなことを考える余裕がないからプレッシャーとも無縁でいられると思うよ」
「アメリカ人はF1に興味がないとよく言われるけどそれは誤解だ」とスピード。「僕の経験から言えば、アメリカでレースをしている人間にとっては誰にとってもF1は憧れの的だ。ただアメリカ人にとってはほとんど達成不可能な目標なんだ」
「その目標を達成するためにはまずヨーロッパへ行かなければならないけど、ほとんどの若者にとってそれは資金的に無理だ。それに家を離れて、家族を故郷に残すという犠牲を払わなければならない。僕の場合はレッドブルがスポンサーについてくれたことによって可能となったんだ。もしそれがなかったら今頃はチャンプカーで走ってたんじゃないかな。特にカートで育っている若いドライバーにとって、NASCARやIRLで走ることはF1を目標としての足がかりなんだ。アメリカでのF1への興味は間違いなく大きくなっているよ」