ファン−パブロ・モントーヤは、マクラーレンでのキャリアを再び軌道に乗せるために、早急にいい結果を出すことが必要となっている。しかしモントーヤは、MP4−20をなかなか思い通りにできずにいることを認めた。
過去2戦で、キミ・ライコネンが見違えるような速さを見せたことから、マクラーレンの新車が今やF1で最速のマシンになっているかもしれないことが明らかになった。しかしモントーヤは、そのマシンがモナコGPではもっと自分の好みに合った形に調整されることを期待している。モントーヤは最近、2003年のモナコGPでの優勝が、自身のインディ500での優勝よりも価値があると述べている。
モントーヤは、英クラッシュネットの取材に対し、次のように語った。「あのマシンを、本当に望み通りにすることができるなら、本当にいいだろうね。どうでも好きなようにできるなら、素晴らしいと思う。現在のところ、あのマシンは、僕がドライブするのは難しい。あまり快適にドライブできないんだ。あのマシンに取り組んで変更を施し、そのレースを走りきることができれば、速さがあることは分かるだろう。それは間違いないよ。問題なのは、とても狭い範囲の中で仕事をしなくちゃならない感じがするということだ」
スペインGPで復帰したモントーヤだが、いくつもの困難に見舞われた。金曜には大クラッシュを喫し、土曜の予選では最初に走行しなくてはならなかった。レース序盤ではスピンをしたうえ、給油リグのトラブルから余分なピットインも強いられた。
「何もかも、ちょっとマズかったね」とモントーヤは認めた。「金曜はミスをしてマシンをクラッシュさせてしまった。それで土曜には、古いタイヤで走るしかなかった。ニュータイヤがなかったからね。古いタイヤ、そしてもっと古いタイヤ、もっと古いタイヤでマシンのバランスを取っていくうちに、突然、すごくいいバランスになるんだ」
「そして、ニュータイヤを着けると、バランスはあまりにも大きく変わってしまう。予選では最初に走行しなくてはならなかったし、レース序盤はアンダーステアだった。タイヤが力を発揮しだせば、マシンはよくなった。僕にとっては、レース序盤でフロントタイヤをちゃんと機能させるのが大きな課題なんだ」
モントーヤは、スペインでスピンから復帰することができたのは、判断がよかったというより幸運のおかげだったという。
「3秒か4秒失っただけだった。理想的ではなかったが、25秒とかは失わずにすんだ。ミスだったとは思わない。アクセル全開でコーナーから脱出したら、縁石に乗ったとたん、突然マシンが後ろ向きになってしまった。何が起こったのか理解しようとして、チームが調べているところだよ。かなり素速く復帰できた。ちょっと映画か何かみたいだったね。意識してやろうとしていたら、あれほどうまくは行かなかっただろうと思うよ!」
モントーヤは、テニス中の怪我とされる故障によりバーレーンとサンマリノを欠場した後、バルセロナではドライブできる状態になったとされていた。とはいえ、やはりスペインGPは、負傷した肩には厳しかったとモントーヤは語る。
「3コーナーと9コーナー、そして最後の2つのコーナーがキツかった。それ以外は大丈夫だった。少しの負担がかかるのは何でもない。だが、肩に4.5Gの負担がかかった状態で、2つか3つのコーナーを抜けるのは厳しいよ。もちろん、テストをしていたらよかっただろう。でも、テストができる状態ではないと思ったんだ。スペインでようやく、マシンをドライブできるようになったんだよ。100%ではないとしてもね」