前回のスペインGPでは、ライバルのミシュランに大量の得点を奪われたブリヂストンだが、F1カレンダーで最高の一戦ともいうべきモナコGPを前に、反撃を心に誓っている。
安川ひろしモータースポーツディレクターは、次のようにコメントした。「スペインGPは残念な結果に終わったが、次のモナコのレースでは、ぜひともパートナーチームがポテンシャルを十分発揮できるようにしたいと考えている。モナコは特別な開催地であり、非常に伝統ある一戦だ。昨年はルーベンス・バリチェロがフェラーリに表彰台をもたらしているし、最近は技術部門が懸命に努力しているので、バリチェロとミハエル・シューマッハーが優勝を狙えることを期待している」
昨年のモナコGPはミシュランが有利に運び、ヤルノ・トゥルーリがジェンソン・バトンを最後まで抑えきってGP初優勝を遂げた。これはフェラーリが圧倒的な強さを見せた昨シーズンで、ルノー唯一の勝利だった。この3.34kmのストリートコースに備えるのは、タイヤメーカーにとって特別なチャレンジとなる。路面は特にスムーズで、競争力を発揮するには、特にソフトな方のコンパウンドのタイヤを使用する必要があるからだ。しかし、今年はタイヤを長く使用しなくてはならなくなったため、もっと硬めのコンパウンドが選ばれることになるだろう。タイヤは、土曜の半ばから日曜のレース終了まで保たせなくてはならないからだ。
菅沼寿夫テクニカルマネージャーは、こう語った。「モナコは非常に特別なレースだ。カレンダー唯一のストリートコースであり、最も低速なコースでもある。タイトコーナーが多く、コーナーから脱出するときのリヤタイヤのトラクションが特に重要になる」
「モナコでは、コンパウンドはソフトなものになる。舗装が非常にスムーズな性質を持っているからだ。だが、予選とレースを1セットのタイヤで戦うというルールにより、従来の年ほどソフトなコンパウンドは使われないだろう。また、レース中にタイヤの摩耗率が変わっていくことも、考慮に入れておく必要がある。過去の経験から、序盤にはフロントタイヤにささくれができ、リヤタイヤよりも摩耗が大きいことが分かっている。しかし、レースが進むにつれて、摩耗のバランスはリヤタイヤの方に移っていく」
「というわけで、モナコに向けてブリヂストンのタイヤスペックを決定する際には、多くのことを考慮に入れる必要がある。先週はフェラーリと共にフィオラノで有益なテストを行い、正しい選択ができたことを確認しているが。とても面白いレースになるだろうと思う」