レッドブル・レーシングは、クリスチャン・クリエンをサードドライバーとして金曜日に出走させてよいかどうか、他チームにお伺いを立てているようだ。実際には、クリエンはその資格を有していないのだが。
現在の金曜サードドライバー・ルールの下では、過去2年間に6レース以上参戦しているドライバーは、経験がありすぎるとして、サードカーをドライブしてはならないとされている。
つまり、このルールは本来、若手ドライバーを支援するために導入されたものである。しかし、現実には必ずしもその意図どおりには運んでいない。例えばマクラーレンの場合、アレクサンダー・ブルツやペドロ・デ・ラ・ロサといったベテランドライバーを出走させている。ふたりとも50レース以上の参戦経験があるものの、過去2年間においては6レース以上参戦していないからだ。
「(クリエンをサードドライバーとして起用するという)選択肢が認められるかどうか考えてくれるよう、他チームにお願いしている」。同チームのあるスポークスマンは、ロイターに対して認める発言を行った。「まだ、結論は出ていない」
レッドブルは、次戦以降の3戦にビタントニオ・リウッツィを出走させる決定を下しているため、クリエンをサードドライバーとして出走させたい考えだ。リウッツィは、今季の序盤3戦、オーストラリア、マレーシア、バーレーンでサードドライバーを務めている。
レッドブルの希望が叶うかどうかは分からないが、レッドブルは2〜3年前にも似たような訴えを起こしたことがあった。レッドブルの前身であるジャガーは、現在チャンプカー・シリーズで活躍中のジャスティン・ウイルソンを起用したいと考えたのだが、ウイルソンが定められた条件を満たしていなかったため、ビヨルン・ウィルドハイムを起用せざるを得なかった。
このレッドブルの訴えが失敗に終わった場合、先月同チームのテストに参加したスコット・スピード、またはニール・ジャニがサードドライバーを担当するのではないかと、F1の内部関係者は考えている。