フェラーリチームは、バーレーンで新車F2005を投入したが、成績を改善することはできず、1ポイントも挙げられないまま中東を後にすることになった。
しかし、フェラーリにとっての明るい材料は、ミハエル・シューマッハーがリタイアするまでに見せたパフォーマンスだ。シューマッハーは、予選でフロントロウを獲得し、レース序盤にはフェルナンド・アロンソのルノーとトップ争いを繰り広げた。
レース後に、チーム代表のジャン・トッドに、新車での初戦について語ってもらった。
Q:パフォーマンス、特に2次予選のパフォーマンスには、かなり勇気づけられましたか?
ジャン・トッド(以下JT):昨日(土曜日)も、かなりのポテンシャルがあったんだ。パフォーマンスは有望そうだった。十分ではなかったとしてもね。レースには完走しなくてはならない。過去6年間のリザルトを見れば、私たちの標準からして、ほかのどのチームよりも多く完走していることが分かる。状況は非常に暗く深刻に見えるし、それはよく分かる。だが、もっと強いポジションに行くために、足りないものはさほど多くないと思っている。
Q:足りないのは何ですか?
JT:レースの週末全体を通じて信頼性を発揮すること、それからブリヂストンと一緒にきちんと仕事をすることだ。この方向でテストプログラムを行っている。この困難な時期を乗り越えられると、私は確信しているよ。だが、それはチャレンジだ。私たちはたくさんの開発プランを用意している。
Q:この週末は、どれくらいショックでしたか。新車を急いで投入して、すべてを完璧にやってきたのに、今度はいくつか問題が起きましたね。
JT:問題をひとつひとつ分析する必要がある。だが、たとえばミハエルの問題は、新車のせいではない。だから分析する必要があるんだ。
Q:ハイドロリック・システムのその部分は、去年から変わっていないということですか?
JT:そうだ。
Q:パフォーマンスはよかったということですが。ミハエルはとても速かったけれど、あの後、彼のタイヤがどうなっていたか、誰にも分かりませんよね?
JT:確かに、誰にも分からないね……
Q:しかし、イモラはもっと気温が低いので、事態が改善するという自信がありますか?
JT:私たちは現在いくつかの問題に直面しているが、これまでにも問題にはぶつかってきた。私たちは挽回できるという自信がある。唯一いけないのは、それまでに時間をかけすぎることだよ。
Q:過去にウイリアムズやマクラーレンを相手にしていた頃よりも、ライバルは強力かもしれませんね。マイク・ガスコインは、フェラーリがルノーを倒したかったら、まず我々を倒す必要がある、と言っていました。
JT:彼らと戦うように頑張るよ。約束はできるが、保証することはできないね。
Q:すべてにおいて、皆がかなりリラックスしているようですね。笑うしかないほど事態は深刻だ、というように見えますが。
JT:私たちは笑ったりしないが、泣きもしないよ。過去3レースで言ってきたように、これまではよくなかった。もう少し待とうじゃないか。フェラーリの天下について、みんなが飽き飽きしたと言っていた。今はみんながエキサイトしているようだ。私たちもエキサイトしているよ。しっかりと盛り返したいからね。
Q:今年、チャンピオンを獲れますか?
JT:もちろん獲れるとも。だが、とても急いでポイントを獲る必要がある。さもないと、チャンスが少なくなってしまうからだ。イモラから2004年と同じことを開始できれば、昨シーズン末のポイント差からして、3レースの失敗くらい埋め合わせることができる。今に分かるよ。