前戦ハンガロリンクではヤルノ・トゥルーリがめずらしくエンジントラブルに見舞われたが、ルノーは今週末のベルギーGPでも前戦と同じ最新のRS24−Dスペックエンジンを使用する予定だという。
トゥルーリはハンガリーGPの41周目に油圧が低下したためリタイアを余儀なくされた。しかし、エンジン担当テクニカルディレクターのロブ・ホワイトは、スパで同じトラブルが繰り返されることはないという自信を示した。
「オイルポンプとエンジンの間のO−リングシールからオイルが漏れたことが原因だった。もちろんこれと同じトラブルが再発しないように対策を講じているが、この件は私たちにとってタイミングのいい警告にもなった。つまり、設計と組み立てのすべての段階で細心の注意を払わなければ、小さく単純で最も安価な部品がきわめて高価な失敗をもたらすことがあるという警告だ」
ホワイトによれば、スパはエンジンにとって最もタフなサーキットのひとつであり、ルノーがダイナモ上でエンジンを評価する際の“基準コース”として採用されている。
「だから、年間を通じてシミュレーションを行う回数は、すべてのサーキットの中でスパが一番多いんだ。1周がとても長く、機械的にも熱的にもエンジン内部の部品に加わる負荷が高い。だが、エンジンにとって過酷だからと言って、私たちのいつものアプローチが変わるわけではない。どのサーキットで使うエンジンについても、私たちは最良のレース成績を獲得することを念頭において各種のパラメーターを選択しなければならない。他のサーキットよりいくぶん条件が厳しいことは考慮する必要があるものの、他のどこかと比べて特に慎重になるということはないんだ」
また、テクニカルディレクターのボブ・ベルは、トゥルーリのハンガリーでのリタイアと今週末投入される新たな開発部品について次のように述べた。
「新しいスペックのエンジンはとてもいいパフォーマンスを示した。ヤルノのユニットを襲った補機類のトラブルは、この新しいスペックに関連するものではなかった。ビリーの開発チームは実用回転域を広げるための努力を続けており、この領域では着実な進歩が続いている」
「シャシーに関しては、まだメカニカルな部分と空力の両面での開発を予定しているが、これから終盤にかけては信頼性にも重点を置いていくことになるだろう。私たちの最低限の目標はすべてのレースで2台を完走させることだ。今年前半戦で振るわなかったマクラーレンとウイリアムズの両チームが復調してきたからね。したがって、スパで私たちが目指すのは、2人のドライバーが揃ってポイントを獲得することだ」