BMWモータースポーツディレクターのマリオ・タイセンは、ジェンソン・バトンのウイリアムズF1チームへの移籍に関して、BMWとウイリアムズとの間に見解の相違があるとしてきた主張を取り下げた。
バトンがウイリアムズに再加入するという突然の発表は、夏の休暇期間を前に多くの関係者を驚かせた。BARで好シーズンを過ごしてきた彼が移籍を望む理由がわからなかったためであり、BARチームも契約の有効性をたてに怒りを顕わにしていた。
「ジェンソン・バトンとの契約のチャンスは急に訪れた」と、BMWウイリアムズF1チームのウェブサイトの常設コラムで語るタイセン。「彼と我がチームとの付き合いは、2000年シーズンの終わりに彼が去ってからも続いてきた。しかし彼の契約書の状況から、2005年シーズンに彼と契約できる可能性があるなどと我々は思ってもいなかった。ドイツGPの前夜にしかし、状況が一変した」
「ジェンソンがフランク・ウイリアムズに連絡をよこし、ぜひともこのチームでドライブしたいと、また契約書上もそれが可能だと言ってきたのだ。ウイリアムズF1側は我々にこの可能性を伝え、契約書の状況を調べた。そして結果はその通りだった。よって彼はウイリアムズF1との契約にサインした」
タイセンは、両チームやバトン当人が望んだほど状況が明確に運ばなかったことを認めつつ、それもいずれ解決を見るはずと楽観的な見通しを述べている。
「私の見解では、これは何も驚くようなことではなく、ジェンソンは我々のところに移るチャンスを見つけそれを実現しただけ。BMWウイリアムズF1チームとしてはジェンソンの立場がクリアになると信じているが、明らかに、彼が現在籍を置くチーム、BARが異議を唱えるのはこの点だ。我々はこの問題が法的な過程を経て解決するものと信じ、成果を得られると確信している」
タイセンはまた、2000年に同チームからデビューを果たしたジェンソンの再加入に関して、BMWが必ずしもウイリアムズと合意していないという噂も打ち消した。
「交渉の初日から我々も関わってきた。(バトンとマーク・ウエーバーの)いずれの場合もフランク・ウイリアムズは我々に助言を求めてくれたし、我々も両ドライバーに関して全面的に協力してきた。だからこそ私は、チーム内に見解の相違があるという話を聞いて一層驚いたのだ。逆に、この12ヵ月の共同運営は、より緊密によりよくなっているんだよ」
「チーム全体が二人の新たなドライバーを走らせたがっているし、ジェンソンの移籍に関する話し合いが早く終結してほしい。マークとジェンソンの両者を冬のテストで使えるようになれば私も嬉しい」