ルノーのヤルノ・トゥルーリが、WFP国連世界食糧計画の公共広告に出演することになった。この広告は、世界中で栄養失調の子供たちがどれほどのペースで死に追いやられているかを訴えかけるためのものだ。
トゥルーリは、彼の駆るルノーF1マシンが200km/hに達するまでの時間に、子供が1人亡くなっているという飢餓の現状を警告する。
「僕の車は、5秒で0km/hから200km/hに達する。5秒ごとに、1人の子供が飢餓で死んでいる。1時間に720人、毎日毎日ね」というのが彼の台詞だ。「時間は止められないけれど、死を食い止めることはできる」
健康面において世界で最大の脅威となるのは飢餓と栄養失調であるということを伝えるためにWFPが行ったテレビの公共広告には、トゥルーリの前にも国際的なスポーツ選手が何人が出演している。マラソンの世界記録保持者ポール・テルガト(彼は昔、WFPの学校給食プログラムを受けていた)、ラグビーのワールドカップで優勝を経験しているニック・ファー‐ジョーンズとデビッド・カークなどだ。
「世界食料計画から依頼を受けた時、誇らしく思ったよ」とトゥルーリ。「長い間世界中を旅しながら、良いことも悪いことも見てきている。僕のような幸運な人々は食料にありつけるが、大勢の人々が飢餓で亡くなっているんだ」
WFPは地球規模の貧困と飢餓を減らすための重要な役割を担っており、2003年には81カ国、1億400万人に食料を供給している。しかし、1990年代に飢餓の初期的減少が見られたものの、ここ5年は飢えに苦しむ人々の数は、1,800万人増加している。子供がもっとも顕著で、発展途上国では5歳に満たない子供が毎年1,090万人死んでおり、その中の60%は栄養失調によるものだ。1日にわずか19セント(およそ20円)で、WFPは栄養価の高い食事を学校給食に提供することができる。
「WFPは、地球規模の飢えと戦うための人道的支援を行う最大の団体だ」と、トゥルーリは語った。「きっと、ちょっとした手助けで彼らのことが世界中にもっと知れ渡るだろうし、彼らが飢えと戦うためのサポートを、もっと得られると思う」
すでにいくつかの国際的な放送局が、世界中で30秒のTVコマーシャルを放映し始めている。