苦労が報われない形で2004年シーズンをスタートしたBMWウイリアムズF1チームが、昨年忘れがたい勝利を手にしたモナコを再び訪れる。
だが、ラルフ・シューマッハーがポールポジションを獲得し、レースでは僚友のファン−パブロ・モントーヤが優勝した昨年のリザルトの再現は難しい注文かもしれない。予選順位が結果を左右する割合が極端に高いという、このトラックの特異な性質のためだ。だがチームはとにかくここで力強く走り切り、残るシーズンの波につなげるためにも、準備を進めるのみだ。
昨年はこのGPを制して喜びの声をあげたモントーヤ。今年はもちろん連勝を狙って全力を尽くすという。
「間違いなくモナコGPは、とても特別な一戦であると同時にとても難しいレース」とモントーヤ。「どんなミスも許されないトラックで、油断すれば即ウォールに激突してリタイアだ。あそこの攻め方を学ぶには熟練技が必要だよ!」
「カレンダー上唯一の本物のストリートサーキットだから独特なレースになるし、それこそがこのレースのこれほどの魅力の所以でもある。僕は2年前にはポールを獲り、去年は優勝した。モナコで勝つことは長い間の夢だったから、この特別な一勝はいつまでも大いなる誇りだよ。今年はライバル勢を捕まえられるかどうかは本当に車次第だが、もちろん昨年の優勝を再現できるよう全力を尽くす」
一方のシューマッハーも同様にFW26で好リザルトを望むが、フェラーリ、BAR、ルノーらのライバル勢と渡り合えるか、若干の不安もあるようだ。
「モナコには何年も住んでいたことがあるから、とても楽しみだ。トラックは確かに現代的ではないが、それでもやはり昨年は、僕が土曜にポールを獲り日曜はファンがレースに優勝してシーズン一番の見せ場になった。シーズンスタートの不調を切り返すきっかけになり、最終的にチームは選手権ランキングの頂点近くまで行くことができた」と語るラルフ。「今のところチームの状態はそうした可能性からは遠いところにいるが、モナコの奇跡を少しでも信じたい。とはいえ現実的に見れば、ライバル勢がベストな状態で出てくれば僕らには歯が立たない。いまチームは昼夜なく働いているが、それでもトップ集団に戻れるようになるまでは少々時間がかかるだろう」
モナコGPのプラクティスは木曜に開始される。