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鈴鹿F1タイヤテストで角田裕毅が走行「ピレリに良いデータを提供できた。大勢のファンが来てくれたのもうれしい」

2024年4月11日

 F1のタイヤサプライヤーであるピレリは、日本GP後の4月9日と10日に鈴鹿サーキットで2025年用タイヤ開発テストを実施した。今回はRBとキック・ザウバーが協力し、RBからはダニエル・リカルドと角田裕毅、キック・ザウバーからはバルテリ・ボッタスが参加した。


 ピレリは年間を通して2025年に向けてコンパウンドとコンストラクションの開発を目的としたテストをチームの協力のもとで行っており、今週の走行は今年3回目のテストに当たる。


 作業プログラムは、来シーズンに向けてさまざまなコンパウンドとコンストラクションを比較することに重点を置いたもので、特に、オーバーヒートを大幅に削減することを目的に、新しいコンストラクションと、各コンパウンドについて最終決定を下すための作業が進められた。


 初日はリカルドとボッタスが走行。この日は、朝に雨が降り、その後、晴れるという天候で、新しいインターミディエイトとウエットタイヤのソリューションを比較することも可能になった。


 ウエットテストの主な目的は、ブランケットを使用せずにインターミディエイトを走らせるためのソリューションを特定することと、エクストリームウエットでのオーバーヒート削減について調査することだった。オーバーヒート削減は、来年用のスリックの開発プログラムにも組み込まれており、タイヤに厳しい鈴鹿サーキットでは、最もハード寄りのコンパウンドでの最適なソリューションを特定する作業が行われた。


 初日9日、最初の1時間はインターミディエイトとフルウエットの新バージョンを装着してリカルドがVCARB01、ボッタスがC44で走行。その後、スリックタイヤに交換して周回を重ねた。リカルドは106周(16周がウエット時)を走り、ベストタイムは1分34秒815、ボッタスは133周(17周がウエット時)を走行、ベストタイムは1分34秒002だった。プログラムが両者で異なるため、ラップタイムは重要ではない。


 この日のセッションには12種類のタイヤが使用され、合計1200kmの走行が行われた。

ダニエル・リカルド(RB)
2024年F1ピレリタイヤテスト鈴鹿 ダニエル・リカルド(RB)


 リカルドは「ピレリとともに2025年コンパウンドのテストを行い、生産的な一日を過ごした」とコメントした。


「残念ながら午前中は天候の関係で走行が制限されたが、ポジティブな面もあって、普段あまり使用しないウエットとインターのコンパウンドを試す機会を得た。午後のプログラムはスムーズに進み、走行プランを完了し、建設的なデータをピレリに提供することができた。個人的には、レースウイークエンドの後、鈴鹿で何周か走ることができてよかった」

ダニエル・リカルド(RB)とピレリのエンジニア
2024年F1ピレリタイヤテスト鈴鹿 ダニエル・リカルド(RB)とピレリのエンジニア


 テスト2日目にはRBから角田、キック・ザウバーからは前日に続きボッタスが参加した。この日は天候に恵まれ、終日ドライコンディションで走行することができた。角田は115周(ベストタイム1分34秒337)、ボッタスは149周(ベストタイム1分33秒983)を走っている。

角田裕毅(RB)
2024年F1ピレリタイヤテスト鈴鹿 角田裕毅(RB)


 テストを終えた角田は「鈴鹿が大好きなので、ここで走れるときはいつだってハッピーです」と語った。


「このサーキットは決して飽きることはありませんし、トラックの周りに大勢のファンがいるのが見えて素晴らしい気分でした」


「天気に恵まれたおかげで、スリックタイヤでのテストにおいて午前と午後の両方のセッションがとてもスムーズに進みました。プログラムをすべて終えることができ、ピレリに良いデータをたくさん提供できたのでうれしいです。良い一日になったと思います」

角田裕毅(RB)
2024年F1ピレリタイヤテスト鈴鹿 角田裕毅(RB)


 2日間のテストを終えたボッタスは「今日はほぼレース3回分の距離を走った。スムーズな一日で、マシンの感触はとても良く、重要なフィードバックを集めるためにいくつかのコンパウンドで走行した。このフィードバックは今後の改善に役立つだろう」と語った。

バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)
2024年F1ピレリタイヤテスト鈴鹿 バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)

バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)
2024年F1ピレリタイヤテスト鈴鹿 バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)


 ピレリ・モータースポーツのディレクター、マリオ・イソラは、「この種のテストではいつもそうであるように、ドライバーたちは自分たちがどのタイプのプロトタイプをテストしているか知らされずに、時折現在のタイヤも使われる状況だった。何の情報もない状態で作業を行っているというわけだ。そのため、彼らのフィードバックは完全に偏りのないものになる」とタイヤテストについて説明した。


「鈴鹿で3000km以上を走行し、スリックタイヤに関する膨大なデータと、インターミディエイトタイヤに関する情報を収集することができた」


「今年のテストプログラムは、今後数カ月にわたり行われ、オーバーヒートを減らすことを目的に、より優れた耐久性を提供するコンストラクションの決定と、コンパウンドの完全なリニューアルに引き続き焦点を当てていく。さらに9月からは、2026年向けのタイヤの開発作業も開始する予定だ」


 次回のタイヤ開発テストは、5月28日と29日にル・キャステレ(フランス)で行われ、その後、6月14日と15日にムジェロ(イタリア)で実施される。



(autosport web)


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