２５歳にして５度のモト世界チャンピオンに輝くバレンチーノ・ロッシが、将来はＦ１参戦かという一連の噂に終止符を打った。Ｆ１のテストを受けることはあっても、純粋に楽しむためだけだという。
　Ｆ１オーストラリアＧＰを観戦後、彼の所属するヤマハと縁の深いトヨタでテストするらしいと噂が流れ始め、気の早いメディアは、通称“ザ・ドクター”といわれる彼が２００５年のモトＧＰ契約満了後、Ｆ１のシートを望んでいるとまで報じたところもあった。
　しかし英クラッシュネットの取材では、トヨタの予定には今のところロッシを乗せるマシンの空きはなく、一方でロッシ当人も、もしＦ１マシンに乗ることがあってもモトＧＰから転向する気がないと明かしている。
「僕のレース歴はカートで始まったから、ゆくゆくはＦ１ドライバーになりたいと思ったこともあったんだけど、幸いにも進路を（バイクに）変えたんだ」とロッシ。「Ｆ１には乗ってみたいけどそれはただ楽しむためで、僕がバイクに乗るようにＦ１カーをドライブできるのかも分からない。だから（モトＧＰから）移ることはないよ」
　Ｆ１レースに出るためには、ロッシはスーパーライセンスの取得が必要になる。ドライバーのジュニアレベルからのフォーミュラレースの実績やＦ１チームとの契約の経験を考慮して発給されるものだ。
　つまり、ロッシがどこかのチームと契約したくても、少なくとも１年間はＦ３０００など格下の選手権で過ごさなければならず、２輪でどれほどの神話を築いてもあいにくここでは役に立たないというわけだ。

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