ラッキーストライク・BARホンダの佐藤琢磨、ジェンソン・バトン、アンソニー・デイビッドソンの3人が、先週スペインのバレンシア・サーキットで3日間にわたるテストを行った。このテストにはBARホンダ006の2台と2004年のコンセプトカーが使用された。
このテストの主目的は、メルボルンに向けてタイヤチョイスと空力の仕上げをすること、そしてホンダのレーススペック・エンジンの信頼性を引き続き確認することだった。
テストの最初の2日間は寒いが晴れた天候で、プログラムには理想的なコンディションだった。バトンは、水曜に1分9秒477という、その日の2番手のタイムを叩き出した。佐藤琢磨は4番手タイムだった。
バトンは次のように語った。「水曜日はとてもいいテストができたよ。今回もまたミシュランと共に様々なタイヤコンパウンドの作業に集中した。それから、オーストラリアGPとマレーシアGPに向けてタイヤチョイスにも取り組んだんだ」
プログラムは木曜も順調に進んだが、最終日の金曜には天候が悪化してしまった。
この日は2台のマシンともインスタレーション・ラップを終えただけで、チームはテストを中止する決断を下した。コース路面が安全ではなく、テストを効果的に行うことが難しかったためだ。この3日間で、チームは価値ある1900kmの走行距離を冬季テストプログラムの成果に加えることができた。
佐藤琢磨は次のように説明している。「ここ2回のテストは僕らにとってとても重要だった。新車を使い、レースチームのメカニックやエンジニアと一緒のテストだったからね。チームが集合して、オーストラリアに向けて盛り上がっているのを見て嬉しかった。僕は今週新車に乗った。テストはうまく行ったよ」
「僕らはタイヤとセットアップ作業に取り組み、完全なレースシミュレーションをやりとげた。いい2日間を過ごせたけれど、残念ながら今日は天気がとても悪くて走行に大きく影響した。準備は決して完璧とは言えないが、マシンの感触はいいし、レースができるはずだ。マシンは速くて信頼性があるから、パフォーマンスを見せられるメルボルンが楽しみだよ」
第3ドライバーのデイビッドソンは次のように続けた。「難しいテストだったけれど、エンジンの信頼性や、空力やブレーキに関して有益なテストをすることができた。実際のところ、空力の作業から有意義なデータがたくさん得られた。エンジンの信頼性には勇気づけられたよ。たいした問題は何も起きなかったからね」
「今日は天気が悪くて、走行時間をたくさん失ってしまって残念だ。オーストラリアに行くまでには、来週シルバーストンであと一度のテストを残すだけとなっている。だから新車のセットアップを最適化するためにものすごく頑張って働くよ」
BARのテクニカルディレクター、ジェフリー・ウィリスは次のようにまとめた。「今週のバレンシアテストの主眼は、メルボルン用のタイヤ選択を最終決定し、メルボルンに向けてマシンのエンジンと空力を最終的に確認することだった。私たちは空力パーツのテストをすべて完了し、レーススペックのエンジンをさらに2基、レース週末の走行距離をフルに走行させることに成功した」
「残念ながら今日は雨がひどくて寒すぎたため、有意義な作業ができず、テストを切り上げざるを得なかった。このコースでの私たちのパフォーマンスは著しく向上していて、とても励まされる。今度は、オーストラリアにレースカーを送り出す前に最後のシェイクダウンテストをシルバーストンで行う予定だ」