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レジェンドとメキシコのヒーロー、2019年を面白くした『ミッドゾーン』/今宮純のF1ドライバー採点総括(前編)

2019年12月24日

 これを書かないと年を越せない。2019年シーズン、グランプリごとに『ベスト・イレブン』ドライバーを選び、☆数で採点してきた。それを基にF1ジャーナリストの今宮純氏が『2019ファイナル・ランキング』を一挙発表。前編は22位から11位までを紹介。


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■22位 ニコラス・ラティフィ/ウイリアムズ(FP1×6戦)

アブダビテストに参加したニコラス・ラティフィ
アブダビテストに参加したニコラス・ラティフィ


■21位 山本尚貴/トロロッソ・ホンダ(FP1×1戦)

2019年F1第17戦日本GPのフリー走行1回目に出走した山本尚貴(トロロッソ・ホンダ)
2019年F1第17戦日本GPのフリー走行1回目に出走した山本尚貴(トロロッソ・ホンダ)


 今年金曜FP1セッションには二人しか起用されなかった(2018年は6チームが6人抜擢)。ラティフィが2020年シーズンへの準備を兼ねウイリアムズで6回出走、ラッセルとのタイム差はあってもコース学習を優先。それとは全く違い、第17戦日本GPで実現したF1初体験チャンスに山本は30周をこなし、クビアト+0.098秒の17番手。これから国内モータースポーツ界“ビルドアップ”の礎になるか。


■20位 ロバート・クビサ/ウイリアムズ(FIAランキング19位)

2019年F1第11戦ドイツGP ウイリアムズのロバート・クビサ
2019年F1第11戦ドイツGP ウイリアムズのロバート・クビサ


 クビサはレース実戦でラッセルをしばしば抑えるプレーをしていた。スタミナのせいか中盤になると若い相手に先行を許したが第11戦ドイツGPで10位入賞、1ポイントを獲得した。第15戦シンガポールGPまで気力の15戦連続完走。


■19位 ロマン・グロージャン/ハース(FIAランキング18位)

2019年F1第10戦イギリスGP ケビン・マグヌッセン、ロマン・グロージャン(ハース)
ハースのマグヌッセン(左)とグロージャン(右)


 グロージャンはただひとりワースト・リタイア率30%。完走14戦で1043周はハミルトン全1262周の“219周遅れ(!)”。開幕戦グリッドではルクレールと並ぶ3列目、はじまりは今年もよかったのだが。


 8年ぶりイタリア新人のジョビナッツィはフェラーリから舞い降りたライコネンを意識、脇で小さくなっている印象があった。第4戦アゼルバイジャンGPで予選8番手進出(PUペナルティで17番グリッドダウン)、浮上するきっかけをつかみそこなった。やっとブレイクしたのは母国である第14戦イタリアGPの決勝9位、2020年シーズンの残留が決定した第20戦ブラジルGPで5位に入り、20年への階段を進み出せた。


 マグヌッセンのリタイアは相棒のグロージャンよりも少ない2回。違いはほかにもある。オープニング・ラップを切り抜け、タイヤ変調に耐える“粘りのレース”。第15戦シンガポールGP終盤に最速ラップを記録、入賞圏外の17位なのでファステストラップのボーナス1点はなし(ファステストラップの記録はトップ3チーム以外では彼だけだ)。


 2018年から最も観客が増えた第7戦カナダGP、モントリオール開催40回目に合わせピット・ビルなど真新しく変わった。地元の“ストロール効果”に応え9位入賞。乱戦ドイツGPでは4位、毎年どこかで勝機をつかみ<一発力>を出しきる。


 ポイント0点でも充分すぎる合格点。新人ラッセルの19年は後々、“サクセス・ストーリー序章”になるだろう。チームメイトにすべて優った予選アタック。ミスなく19戦完走したレース・マネージメント。絶えず周回遅れにされながら1082周をカバーした(10位に相当、フェラーリ勢やマクラーレン勢を上回る)。特筆したいのはペナルティ・ポイントわずか1点、与えられた現状マシンで無茶や無理をしていないこと。新人らしからぬガマン強さも持ち合わせている。


 偶然の一致だ。14位ヒュルケンベルグ/13位クビアト/12位ライコネンはFIAランキングと同じ(☆の数は3人ほぼ横並びでライコネンが一つだけ多い)。


 ヒュルケンベルグには“2☆”と“3☆”はいくつもあり、“1☆”レースはほとんどなかった。中位集団のなかで地力を絞りだすベテランらしさは、ラスト・シーズンも変わりなく印象にのこった(現役として急に落ち込むような部分は見られず、それだけに惜しまれる)。


 クビアトの目線からすると、前半は突然チームに現われた新人アルボンと“比較”される立場。徐々に新鋭が話題をさらうようになり、後半にアルボンはレッドブル・ホンダへ昇格するが、その前ドイツGPではクビアトが表彰台3位を決めた。彼とトロロッソ・ホンダにとっての“金星”も、レッドブル首脳陣の査定はきびしく『クビアト現状維持』⇔『アルボン昇格』。シリーズ前半にはトップ8まで上がりながら、後半ガスリーが来てからはゆるやかに後退。常にチームメイトと“比較”され、首脳陣の意向を気にしながら過ごす長い1年だった。


 存在そのものが『レジェンド』――40代ライコネン孤高の域へ。マシンパフォーマンスを引き出す春の入賞ダッシュ、アップデートを活かしきる夏の3戦入賞。その半面、コース特性に影響されやすいマシンで苦戦を強いられてもチーム批難などしない。最終盤ブラジルGPの4&5位は『レジェンド』から、チーム(と若いジョビナッツィ)へのプレゼントのように見えた。


 気がつけばペレス、いつのまにかここまで、レース巧者は6位2回と7位4回を勝ちとっている(イタリアGPは18番手から7位)。ほかにも第19戦アメリカGPでは20番手から1ストップ作戦で10位、ブラジルGPでは15番手から9位、これら終盤の6連続入賞によってアルファロメオを抜き、トロロッソ・ホンダを追い詰めた(チームの70%以上のポイントをスコア)。シーズンを通じてレーシングポイントは予選で精彩を欠いたが、決勝戦略を練り上げきっちりと遂行し、まっとうした。ペレスが存在していなかったら、グランプリが一つ、減っていたかもしれない――。



(Jun Imamiya)


レース

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スプリント予選 結果 / レポート
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予選 結果 / レポート
11/3(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

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2位ランド・ノリス331
3位シャルル・ルクレール307
4位オスカー・ピアストリ262
5位カルロス・サインツ244
6位ジョージ・ラッセル192
7位ルイス・ハミルトン190
8位セルジオ・ペレス151
9位フェルナンド・アロンソ62
10位ニコ・ヒュルケンベルグ31

チームランキング

※サンパウロGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム593
2位スクーデリア・フェラーリ557
3位オラクル・レッドブル・レーシング544
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム382
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム86
6位BWTアルピーヌF1チーム49
7位マネーグラム・ハースF1チーム46
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム44
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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