2016年F1第2戦バーレーンGPは、3スペックのドライタイヤが選べるようになり、初めて迎えたクリーンなレース。コースのあちこちでバトルが繰り広げられ、マノーが見せた速さにも注目が集まった。「ストレートでロケットみたいに速い!」と訴えたルノーのケビン・マグヌッセンに、チームは何と返したのか……ドライバーとの無線交信から、57周をプレイバック。
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<LAP0>
セバスチャン・ベッテル→(ドライバーからチームへ)「はっきりしないけど、エンジンにトラブルが起きたかもしれない。パワーを失った。これで、おしまいだと思う。クルマを止めたほうが、いい?」
←(チームからドライバーへ)「ああ、止めてくれ」
<LAP1>
ルイス・ハミルトン→「リヤの何かが、おかしい感じがする!」
バルテリ・ボッタス←「クリティカルなメッセージだ。我々も(ハミルトンとの)アクシデントは見た。君から見てクルマの状況は、どうだ?」
→「僕からは何も問題ない。いまのところ問題ないけど、フロントウイングの状況は映像などでチェックしてくれ」
<LAP2>
カルロス・サインツJr.→「パンクチャー! パンクチャー!」
<LAP9>
カルロス・サインツJr.→「リヤが、すごく変な感じだ。右に曲がっていかない。間違いなく何かがおかしいよ」
エステバン・グティエレス→「ブレーキが壊れた」
←「後ろには誰もいないから(ゆっくり走って)ピットインしろ。すまない、リタイアしなければならない。ここまで、とても素晴らしい走りだった」
<LAP10>
キミ・ライコネン←「ハミルトンのラップタイムは39.1、タイム差は2.4秒だ」
<LAP24>
ケビン・マグヌッセン→「マノーを、どうやっても抜けない! ストレートではロケットみたいに速い!」
←「了解、ストレートでロケットだな」
ダニエル・リカルド←「OK、ここからプッシュしはじめるぞ」
<LAP31>
フェリペ・ナッセ→「クルマが、すごく運転しづらい。運転が、すごく難しいよ」
<LAP40>
キミ・ライコネン←「ロズベルグもオプション(ソフト)タイヤだ。まだ終わったわけじゃないぞ」
<LAP42>
ニコ・ロズベルグ←「残り15周、このセットで最後まで走る。ライコネンとのギャップは4.8秒だ」
→「毎ラップ伝えなくていい、4周おきくらいでいいよ!」
<LAP44>
マーカス・エリクソン→「ダッシュボードがトラブってるかどうか、教えてくれよ!」
←「問題ない。ダッシュボードは、きちんと機能しているよ」
<LAP46>
ロマン・グロージャン←「(フェリペ・マッサをパスして)素晴らしい、本当に素晴らしい!」
キミ・ライコネン←「OK、とにかくプッシュし続けろ。ロズベルグとの差は少しずつ縮まっている。まだ終わっていないぞ。(ロズベルグを逆転した)昨年を思い出せ!」
<チェッカー>
ニコ・ロズベルグ→「ウーッ! イヤァ〜ッ! みんな最高だったよ!」
←「素晴らしい仕事だったよ、ニコ」
キミ・ライコネン←「素晴らしいレースだった、キミ。厳しい1周目から素晴らしいリカバリーを果たしたよ」
←マウリツィオ・アリバベーネ「グレートだ。よくやった、キミ!」
→「ありがとう。プアなスタートだった。(クラッチパドルを操作する)指が少し滑ってしまったんだ。良いタイヤチョイス、良い戦略をありがとう」
ルイス・ハミルトン←「素晴らしい努力だった。素晴らしいリカバリーを果たし、ダメージを最小限に留めたよ」
(米家峰起/Text:Mineoki Yoneya)