ルノーとの契約が正式に発表されたフェルナンド・アロンソが、決断に至るまでの心情、今後の抱負などについて語った。
「ルノーに戻れて嬉しく思っている」とアロンソはコメントしている。
「このチームで僕はF1ドライバーとして成長したのだからね。ルノーがどれだけ素晴らしいチームか、彼らがどれだけの成果を挙げてきたか、誰もが知っている。2005年と2006年に共に選手権を勝ち取ったことは、忘れることはできない。僕はこの成功に関わることができた。ルノーは、有力な企業のサポートを受けている、最高のチームのひとつであり、勝つために何が必要なのか、知っているチームだ」
「これから僕らは共に新たな一歩を踏み出す。この偉大なるチームと再び共に働けることに、とても興奮しており、力を合わせればトップに返り咲けると確信している。ルノーは2007年には困難な1年を送ったが、このチームが真の底力を持っていることは分かっている。彼らなら、2008年に速くコンペティティブなマシンを作り、トップに返り咲けると確信している」
アロンソはまた、契約半ばにして関係を解消したものの、マクラーレンチームで過ごした1年はよい年だったと語っている。
「人がどう考えているかは知らないが、2007年は僕にとってとてもいい年だったのは間違いない。ブラジルの残り20周の時点まで、チャンピオンになる可能性が残っていたということをみんなが忘れているのは残念だね。キミ(・ライコネン)が(フェリペ・)マッサの前に出て優勝をつかみ、世界チャンピオンになるのに必要なポイントを稼いだ時点で、僕にとっての可能性はなくなった。シーズンの最後の何周かまでタイトルを争って戦えたのだから、サインしたことを年の初めから喜んでいて当然だ」
「11月に入って3週間、僕はどうしてもF1から遠ざかって休暇をとりたかった。そして自分たちのオプションについて検討し始めてみると、あらゆる新聞やウェブサイトが、僕がすべてのチームとコンタクトを取っているように報じているのを知った。1年契約だの3年契約だの書きたて、僕がファクトリーに行ったとまで報じたり、1年間休暇をとるとまで言われた。その時初めて世の中の動きを知ったんだ。毎朝新聞を見るのが楽しかったよ!」
「オプションについては、正直言って、楽な状況ではなかった。でも、1年にF1カーをドライブする特権を与えられるドライバーは22人。僕はその中のひとりであり、ひとつの素晴らしいチームを出て、別の素晴らしいチームに加入するチャンスがあるという意味で、さらに恵まれた人間だ。F1カーに乗るチャンスをつかめないドライバーも大勢いるわけだからね」
「来年走らないなんて考えは、一切浮かばなかった。グレーのパンツと黒のパンツのどちらかを選ばなきゃならないというような状況とは違うんだ。極めて重要な決断について話し合っているわけで、どちらにしても僕は1月か2月までマシンに戻れないので、急ぐ必要はなかった」
「とはいえ、どうして皆こんなに熱心なのか、その理由は理解している。ファンの方々はいつも僕をサポートしてきてくれた。今年どれだけ大勢の人達が応援してくれたのか分かっている。本当に感動したよ。彼らが実際にどんなことを話しているのかは分からなかった。新聞はできるだけ早く報道しようと競争しているので、多くのことが捏造されていた」