ラルフ・シューマッハーは木曜日のヘレステストで、フォース・インディアに自分のパフォーマンスを印象付けようと思っていただろうが、メカニカルトラブルでF8-VIIBをドライブする時間が多く取れず、いささか無駄骨となった感がある。
ラルフは南スペインで、来季のドライバー候補と見られているビタントニオ・リウッツィと共にテスト3日目に臨んだ。しかし、当日は赤旗やマシントラブルのため、長時間にわたってテストが中断され、初日にベテランのジャンカルロ・フィジケラが行ったようなプログラムの消化は行えなかった。
ラルフとリウッツィはこの日、来季に向けたコントロールシステムのデータ収集を行った。来季からトラクションコントロールやエンジンブレーキの電子制御を外すこととなり、その状態でマシンがどう反応するのか試してみたほか、通常のセットアップ作業とタイヤ評価テストを行った。
しかし、度重なるテスト中断で、それぞれのプログラムを全てこなすことはできなかった。ラルフはテスト開始直後から油圧系のトラブルに見舞われ、テスト時間の短縮を余儀なくされた。しかし、ラルフはロングランが実施できてよかったと述べ、チームも彼のペースと一貫性に好印象をもった。
「今回がフォース・インディアとの初めての仕事だった。おまけに、2008年用の電子機器がどのように動くのか学ばなければいけなかったので、難しい1日になった。午前中は残念なことに、マシンにいくつか問題が発生した上、午後は何度も赤旗に見舞われたけれど、ロングランを行った時は、かなり期待できると思った」
「午前中、ニュータイヤを使用した時には、いい形で作業を行うことができなかった。午後にもやってみたけれど、赤旗によって中断されてしまった。難しい1日だった。でも、よかったと思う。いい情報を手に入れられたと考えている」
テクニカルディレクターのジェームス・キーは次のように語った。
「午前中は、トニオが数周、好調に周回し、いいフィードバックを行ってくれたので、かなり生産的だった。しかし、ラルフに関しては、かなり難しい日となった。マシンにいろいろな問題が起こって、プログラムの遅れが生じたからね。ロングランではかなりよくなり、ラルフはとても一貫性があった」
ラルフはトヨタから放出されたいま、リウッツィやフィジケラらと同様、フォース・インディアのシートがF1残留の最後の望みとなっている。ラルフは同チームのオーナー、ビジェイ・マルヤがトヨタのスポンサーを務めて以来、彼とは親しい仲だが、ラルフがエイドリアン・スーティルの僚友としてセカンドシートを手に入れられるかどうかは保証がない。
スーティルが、チームは2008年の彼の僚友として、若いドライバーを探していると語る中、今週のテストにはクリスチャン・クリエン、ギド・バン・デル・ガルデ、リザーブドライバー候補のロルダン・ロドリゲスらが参加している。