パナソニック・トヨタ・レーシングはスペインのヘレス・サーキットで行われた4日間に渡る合同テストを終え、2007年シーズンの幕を閉じた。最終日はティモ・グロックとヤルノ・トゥルーリがテストを担当し、来年以降へと向けた開発を行った。
午前中は曇り空となり、両ドライバー共に路面のコンディションが改善されるのを待っての作業となった。他の全てのチーム同様に、2007年の間に30000kmと制限されたテスト走行距離のために、残りの周回数は慎重にこなされることとなったが、今年最後となったこの日のテストを有意義に活用した。
2人のドライバーはどちらも2009年に向けたスリック(溝なし)タイヤを試し、ヤルノ・トゥルーリは2009年の規則変更への準備として、ダウンフォースを減らした状態でテストも行った。また、ヤルノ・トゥルーリがスタンダードECUに関する更なる情報を収集している間に、ティモ・グロックは空力及びメカニカルなセットアップ作業をこなした。
今年のテストは終わることとなったが、来年1月10日に発表されるTF108の開発へとハードワークは続行される。
ヤルノ・トゥルーリ
「今日は多くのことを達成するために、とても忙しい一日であった。新たにスリック(溝なし)タイヤを試したが、これまでの溝付きタイヤに比べ、より多くのグリップが得られ、安定していた。また、2009年の規則変更により想定されるレベルのダウンフォース設定での走行も試した。今日は多くの異なる項目を試したために、全てを理解するのは簡単ではなかった。多くのデータを収集したが、それを学んで解決法を理解する必要がある。そしてまた、我々は新しい車体後部と2008年仕様のECUでの走行距離を重ねることを主な目標として、可能な限り多くの周回をこなす努力をした」
ディーター・ガス
テスト&レース・チーフ・エンジニア
「何もトラブルに見舞われることなくプログラムを完了し、上手く行った一日だった。今年走行を許された距離と、用意されたブリヂストンタイヤの全てを使い切ることが出来、満足している。ヤルノ・トゥルーリによるスリック(溝なし)タイヤでの走行は興味深いものであった。彼は今週のテストに参加しているドライバーの中で、過去にF1でのスリックタイヤを経験している数少ないドライバーの1人である。それだけに彼のフィードバックは非常に多くの助けとなった。また、2009年に向けたスリックタイヤと、より削減されたダウンフォースレベルでの走行を行い、その進化には満足している。ティモ・グロックも再びスリックタイヤでの走行を含め、セットアップ開発についての良いデータを会得してくれた。彼が今回テストに参加してくれたことは喜ばしいことで、早速我々の開発に大きく貢献してくれた」