ルイス・ハミルトンは、2007年のF1タイトルを逃した失望――ただしタイトルの行方はいまだはっきりしない状況だが――をあからさまにはせず、自身のF1デビューイヤーに夢見た以上のことを達成できたと語った。
マクラーレンのチームメイトであるフェルナンド・アロンソに対しては4ポイント差、フェラーリのキミ・ライコネンに対しては7ポイント差のリードを築き、チャンピオン最有力候補としてブラジルGPを迎えたハミルトンだったが、ギヤボックスのトラブルに見舞われて得点及ばず、ライコネンにタイトル奪取を許してしまった。
レース終了後にリザルト変更の可能性が発生し、これが決まればハミルトンにタイトルが渡ることも考えられたが、ライコネンは事なきを得てタイトルを手に入れた。しかし、マクラーレンの控訴の結果が出るまでは、ライコネンのチャンピオンの立場は安泰とはいえない。
一方ハミルトンは、最高峰F1での自分のルーキーイヤーについて満足していると語っている。
「一体誰が、F1で1年目のこの僕が2位にランキングされるなんて思っただろう?一体誰が、最終戦までこの僕が世界選手権をリードするなんて思っただろう?」と、BBCのラジオ5ライブで語るハミルトン。
「熱狂的な一年だったが、心底落ち込んでいるとはいえないよ。そんなことはない。世界選手権の2位になれて、すごく難しい条件の下で自分のチームメイト、そして二度の世界チャンピオンに勝てた。それこそが目標だった」
またハミルトンは、インテルラゴスでこういう結果を招いた要因として、マシンのメカニカルトラブルだけでなく、彼自身のミスもあったことを認めている。スタートでライコネンに抜かれ、1周目にチームメイトのアロンソとバトルをした結果、オーバーランを喫してしまったのだ。
「何が起きたのかまだ分析できていない」と語る22歳のハミルトン。
「でも、レース序盤に僕はミスをした」
8周後、MP4-22にギヤボックストラブルが発生してスローダウン。そのトラブル自体はその後解決されたものの、ハミルトンは18番手までポジションを落とし、ライコネンとアロンソからタイトルを奪うために必要なポイントを得るにあたって、大きな障害ができてしまった。
「(あの周の後)挽回するだけのスピードがあったのに、4コーナーでギヤがニュートラルに入ってしまったんだ」とハミルトンは振り返る。
「なぜだったのかはまだ分からない。最終的にはすべてが僕に不利に働いてしまったが、来年にはもっといい仕事ができるよう頑張りたい。次のレースまで22週間もあるので、もっと準備を整えて、もっと落ち着いて、より経験豊かなドライバーとして再びレースに臨むつもりだ。マシンももっとよくなっているだろう」