モータースポーツ界でも特に多彩な活躍をしているドライバーのひとり、A1グランプリのオランダチームに属するヤン・ラマースは、先月南アフリカのキャラミで行われたグランプリ・マスターズ・レースに参戦した。彼はその経験から、F1がどうしたらよくなるかが分かったという。
ヤン・ラマースは何度かF1に参戦し、最後にF1でレースをしたのは1992年3月だった。そのラマースは、ナイジェル・マンセルやエマーソン・フィッティパルディらと共に先月のGPマスターズに出場し、久々にシングルシーターのレースに復帰した。ドバイで、クラッシュネット・ラジオのインタビューに応えたラマーズは、その経験は楽しかったと語り、F1はそのやり方から学んでいい、とも述べた。
「素晴らしかったよ」とラマーズ。「僕がずっと言い続けていることなんだけど、最高の経験のひとつは、皆が同じ控え室を使ったということだった。F1に政治的な駆け引きやむき出しのエゴがあるとすれば、みんなをまとめてひとつの大きな控え室に入れてしまえばいいと思う。サッカーチームみたいに、共同シャワーや各自のロッカーがあるような部屋にね。そうすれば問題の半分は解決すると思うよ」
「そこで殴り合いをするかもしれないし、シャワーでねぎらい合うかもしれない。石鹸を拾ってやったりとかね。そうすれば、ああいうドラマはたいてい水に流せるだろう」とラマースはジョークを言った。
しかしラマースは当日、ル・マンのような最近のレース経験からして、活躍できるだろうと期待していたにもかかわらず、レースでは9位に入るのがやっとだった。
「ファンタスティックだった。エモ(フィッティパルディ)やナイジェル(マンセル)のような人たちは素晴らしいキャラクターだと思う。僕らはすごく楽しめた。レースでは、僕は勝負に加わって、優勝できる可能性もあったはずだった。勝負には加わったけど、レース中に何度か、オーバーテイクやブロックはほどほどにしないと殺されちゃう、と思ったよ」とラマーズは笑った。
「彼らは能力をまったく失っていなくて、僕は教えられたよ。本当に素晴らしいことだ。このシリーズは素晴らしいね。モーターレーシングの世界では、A1やGPマスターズみたいに、たくさんの進歩が起こっている。人々がどんどんクリエイティブなコンセプトを持てるのは、素晴らしいことだ」