来季F1でタイヤ交換を復活させるという決定をミシュランが非難したが、FIAはこれにただちに反論し、ミシュランがルール変更決定手順のどこに困惑しているのか理解しがたいとコメントした。
ミシュランが先に発表した声明によると、同社はタイヤ交換の復活、さらに各チームに割り当てられるタイヤ数の増加という決定の背後にある考えが理解できないとしている。ミシュランの主張では、これらの変更によって、タイヤ開発と製造にかかるコストが増大することになるという。しかし、FIAは声明を発表してこれに反論した。この決定はF1委員会の会合で採択されたものであり、会合にはミシュランではなくブリヂストンが参加していたとはいえ、全10チームの代表も出席していたのだ、とFIAは指摘した。
FIAの声明には、次のように述べられている。「F1にタイヤ交換を再導入する決定は、F1委員会メンバーの圧倒的多数の賛成と、FIA世界モータースポーツ評議会の投票での満場一致の賛成を得た」
「F1委員会は、F1の利害関係者全員によって構成されている。各チームの代表者、イベントプロモーター、エンジンサプライヤー、タイヤサプライヤー、スポンサーがこれに加わっており、統括団体と商業権保有者からは各1名の代表のみが加わっている」
「ミシュランは明らかに混乱しているようだ。しかし、FIAが採用した、非常に基本的で完全に民主的な投票手続きのどこにミシュランが戸惑っているのか、理解し難い。ミシュラン自身が指摘しているとおり、これは2004年と同じレギュレーションだ。彼らには思い出してもらわねばならないが、2004年には、ミシュランタイヤもインディアナポリスで問題なく走行できたのだ」
先週FIAが発表したところでは、F1は早ければ2007年にも、タイヤサプライヤーを1社に絞ることになりそうだ。そして、ミシュランが脱落する側になるのではないかとみられている。ブリヂストンはすでに、このスポーツに関わり続ける意思があるという声明を発表している。また、ミシュランがアメリカGPで相応しいタイヤを供給できなかった件を、今回FIAが当てこするような発言をしたことで、FIAがその事件を忘れていないことが明らかになった。