ジョン・ハウエット(TMG社長)
Q:ジョン、かなり以前の話ですが、ジョーダンへのエンジン供給について何かしら発表があるかもしれない、と言われていました。なぜ何も起きないのでしょう? また、他からも供給の要請があったのですか?
JH:トヨタの立場から話をすると、ジョーダンへの供給は我々の責任だ。こちら側から早急な発表を行う必要があったのかどうか、私には分からない。我々は現在も契約の細部を詰めているところだし、ある部分ではジョーダン側に決定権がある。だが私が言えることは、我々は来年もジョーダンにエンジンを供給する意思がある、ということだ。間違いなく要請はある。我々が聞いたところによると、ウイリアムズからトヨタ本社に打診があり、非公式の話し合いも進んでいるようだ。ただ私は、来年の我々には意図的に(どこかのチームに)供給できるような能力はないと思う。決してないと言い切るのは危険だが、そういった要望に応じるべく(エンジン)製造数を引き上げるには、今からでは遅すぎると思う。
ノルベルト・ハウグ(メルセデスベンツモータースポーツ副代表)
Q:ノルベルト、過去2戦では何かトラブルを抱えていたようですが、もう解決しましたか? その2戦に共通した問題とは何でしたか?
NH:いや、フランスとイギリスのトラブルは別物だ。しかも両方とも、かつて発生したことはなかった。すでにこの話はしたけれど、喜んで繰り返すよ。マニ-クールはエンジンのベアリング、イギリスはオイルポンプとウォーターポンプのシャフトにおけるトラブルだ。我々はレース以降、それぞれの交換、チェックを行い、テストを重ねてきた。ヘレスでも充実したテストを行ったが、ファン-パブロがドライブを担当したので、彼が詳しく説明できるだろう。プレスリリースに発表したように、そこではエンジン1基が壊れた。他にエンジン2基を持ち込んだが、そのうち1基が1200km、もう1基が1400km以上を走り抜いたものだ。その後1200kmを走破したエンジンをさらにダイナモ上で500km分回し、ものすごいストレスをかけた。これはテストとダイナモで年間を通して行った作業だが、問題は何もなかった。私はかつて指摘したが、同じ事が起きないとは誰にも言い切れない。我々はエンジンを限界にまで引き上げ、高回転で回している。パワーは去年よりも上っていると思うが、ゆえに全てがほぼ限界か、限界にまで達しているだろう。現在のところ信頼性に非常に優れているという話をしたが、不具合の発生がレース中ではなく、フリー走行中でよかったと思っている。なぜなら不具合を直し、決勝では2位と3位に入れたからだ。これはそんなに悪い結果ではない。だが、我々は当然のように考えなくてはならない。もしトラブルが深刻ならば、厳しい事態になると。しかし我々は、可能な限りベストな状態を作るために、できる限り力を尽くした。