F1世界選手権第8戦カナダGPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選が行われた。
例年にない暑さのモントリオールコースは、今年再舗装が施されたが、それに加え、この日新たにいくつかのコーナーで、コンクリートによる補修が行われ、路面状況はまた変化することとなった。
午後の予選に先立って午前9時から開始された公式練習3回目は、気温28度、路面温度35度、湿度は70%というコンディションで行われた。各車路面温度の上昇と、路面コンディションの改善を待ち、ラルフ・シューマッハー、ヤルノ・トゥルーリ共に後半になってから走行開始。ラルフ・シューマッハーが11番手、ヤルノ・トゥルーリは12番手となった。
その後、30分のインターバルを挟み、午前10時15分に開始された公式練習4回目では、ラルフ・シューマッハーが精力的に走行。6番手のタイムをマーク。一方、ヤルノ・トゥルーリは、電気系のトラブルに見舞われ、終盤コースインして8周したのみに終わり、13番手タイムであった。
公式予選の開始された午後1時には、気温33度、路面温度は52度まで上昇。前戦ヨーロッパGP決勝結果の逆順でタイムアタックが開始された。ラルフ・シューマッハーは、3番手という不利な出走順ながら10番手グリッドを確保。13番目に出走したヤルノ・トゥルーリは、グリップ不足を訴えながらも9番手につけ、2台揃ってトップ10グリッドからポイント獲得目指し、決勝へと挑む。明日の決勝レースは、午後1時(日本時間13日午前2時)に70周のスタートが切られる。
ディーター・ガス チーフ・レース・エンジニア
「トップ10に2人のドライバーが入れたことで、明日のレースは十分なチャンスがあるはずだ。そして、それは、良い結果でフィニッシュ出来ることを意味する。確かに、ヤルノ・トゥルーリは、もっと予選上位を狙えたと思うが、今朝の公式練習で、電気系に問題を抱えてしまい、十分なセットアップを行うことが出来なかった。このことが、彼の予選を難しくしてしまった。また、サーキットの路面コンディションが徐々に良くなって行く中で、早い出走順のラルフ・シューマッハーも、とても厳しい状況だった。にもかかわらず、とても良い結果を出してくれた。明日の戦略に自信をもっており、好結果を期待している。2台揃ってのポイント獲得が我々の現実的な目標だ」
高橋敬三 技術コーディネーション担当ディレクター
「2台共に予選トップ10内に入れたことは、我々のレース戦略を考えれば満足すべき結果だ。とくに、ラルフ・シューマッハーは、早い出走順でのタイムアタックで、路面が滑りやすかったにもかかわらず、完璧な走りをしてくれた。明日のレースでは、我々のペースが、かなり競争力を発揮すると思うので、自信を持って戦いに挑むつもりだ」