モナコの借りをニュルで返す。GP2第6戦に向けて、吉本大樹がドイツ・ニュルブルクリンクで走行を開始した。現地時間の5月27日、午前9時30分から午前10時(日本時間午後4時半から5時)までの30分間で行なわれた練習走行では、初走行のコースながら4番手のタイムをマーク! 午後の予選で結果を出せるか。期待が高まっている。
5月25日・水曜日に現地入りした吉本は、徒歩やバイクなどで入念にコースを下見。自宅やホテルでは、F1の車載映像なども細かくチェックし、準備万端で今回もレースに臨んでいる。前回のモナコGPでは、練習走行のアウトラップでオイルポンプのトラブルからエンジンまでダメージを受け、予選・決勝に出走することができなかった。その時の悔しい気持ちは、「トレーニングでいい汗を流して」切り替えてきたという。
そして迎えた練習走行。吉本は一番最後にコースインすると、マシンの感触を確かめながら、徐々にタイムを上げていく。「コースインしたら、またシフトのプログラムの問題が出て、アップもダウンもマージンを持たないと入りづらかった。でも、コースも初めてだし、クルマのセッティングも確かめたかったので、そのまま何周か走りました」という吉本は、9周を終えたところでピットイン。この時点でベストタイムは1分48秒669、ポジションは9番手だった。ピットに入った吉本は、マシンがアンダーステアだったため、ここでセッティングを若干変更。シフトのプログラムもリセットした。そして、残り6分を切ったところで再度コースイン。走り始めると、今度はシフトの問題もなく、快調にタイムアップを果たす。そして、チェッカーを受ける前の周に1分47秒282と、自己ベストタイムを更新。総合4番手に躍り出た! 引き続き、最後の周もタイムアップを狙ったが、セクター2でスピンしていたマシンがあるため、ここでアクセルを緩める。それでも、最後まで吉本の上に出る選手がいなかったため、このセッションを4番手で終了。午後の予選に向けて、期待が高まってきた。
(Yumiko Kaijima)