ジェンソン・バトンは、ニュルブルクリンクで自分たちの速さを証明しようと懸命になろうとしているが、予選で最初に走らなければならないという問題を克服することは容易ではないということもわかっている。
佐藤琢磨とバトンは、土曜日の予選ではそれぞれ1番目と2番目のスタートとなり、また予選セッションは今回より1回のみとなる。予選の走行順位が早いことは、これまでの予選方式に比べるとかなりの不利となる。
「レースができなくて苦しかったけど、今週末にこうやって戻ってくることができてとてもエキサイティングだ。いいレースにしたいね」とジェンソンはドイツに到着した際に語っている。
「この数週間は、ここでいい結果が出せるようにできる限りの努力をしてきたので、僕らはみなポジティブだ。ただ予選で最初に走らなくてはならないことが心配な点だ。しかもセッションが2回ではないということは僕らには不利な点だ。せめて次のレースからこの予選方式に変えてもらいたかったよ!」
バトンと佐藤がイモラで使ったエンジンにとっては今回のレースが2レース目となる。ホンダは新スペックのエンジンを導入するチャンスを失っただけでなく、こんなにも長い間、エンジンを使わないままにしておいたことは無いのである。
「今回のレースは少し苦しいね。なぜなら今回のエンジンは5週間も使われていなかったからだ。僕らにとってはプラスにならないね」とバトン。「今回フレッシュなエンジンを使えていれば僕らはかなり強力だったと思うし、もっとポジティブになれたと思うんだけどね。予選では最初に走るけどそれでも僕らは上位の方でレースを戦うつもりだ」
「僕らのレースのペースは悪くない。それに実際にレースで何が起こるかは誰にもわからない。僕たちができるんだということを証明したいのはみんなに対してではなく、自分たち自身に対して証明したいんだ」
予選とエンジンの問題がある今週末のレースではBARはフルにポテンシャルを発揮することはできないかもしれない。となると、予選のハンデが無くなる次戦モントリオールがより重要となる。
「僕らはモントリオールを見据えなければならない」とバトン。「もちろんたった今の時点では、チームの誰もが次のレースに集中しているというわけではないよ。ただそれも必要なことだ。今回僕らはサーキットを最初に走らなければいけないので、トップ6、7あたりで予選を終えることはかなり難しい。でもいいレースをしたいと思っているし、10位あたりでスタートすることになっても僕らの速さは見てもらえると思うよ」
「今回のレースはタフだけど、モントリオールからはマクラーレンや、ルノーなど、他のチームに対しても十分チャレンジできると思う。僕らは他よりもシーズンを通じて多くの改良を施していると思っている」
またバトンは、最近のテストの結果、007はかなり速くなっていると強調する。
「イモラの後に僕らはムジェロへ行ったんだけど、僕がBARに入ってからあれほど大きな前進を果たしたことは今までに無いよ」とバトン。「それから2週間前にはポールリカールに行って、新しいエアロパーツを採用したんだけどいい結果を生んでいる。今回のサーキットはそういったテストをしたサーキットと似ているからそれが生きると思うよ」
「本当にみんな明るいよ。僕らがどのくらいできるのかということを見てもらうことを本当に楽しみにしているんだ。僕はレースができないのであればサーキットにいたくはない。レーシングドライバーにとっては、レースができなくってただ見るだけなんて一番退屈なことなんだ」