ヨーロッパGP初日フリー走行で、Lucky Strike B・A・R Hondaの佐藤琢磨は総合15番手、ジェンソン・バトンは16番手タイムだった。
スペイン、モナコGPの欠場を経て、復帰第1戦となるヨーロッパGP。舞台となるニュルブルクリンクサーキットは、奇しくも1964年にHondaがF1へのデビューを飾った地でもある。アイフェル山中にある同サーキットでのレースは、例年なら比較的涼しい気候の下で行われる。ところが今年は初日から、晴天と気温30Cという真夏並みの暑さに見舞われた。
3戦ぶりのレースとなるB・A・R Hondaは、2レース1エンジンという今年のレギュレーションによって、前回サンマリノGPのエンジンを引き続き使うことになる。ほぼ5週間ぶりに火を入れるというレーシングエンジンとしては全く想定外の状況であり、信頼性に対しての不安要素を抱えてレースウィークに入ることになった。
わなかった。そして午後2時かの2回目セッションから、2人のドライバーとも本格走行を開始した。
2人は順調に周回を重ね、2種類のタイヤ比較や、空力セッティングの煮詰めを進めていく。多めの燃料を搭載してのデータ収集に集中したこともあり、ラップタイム自体は上位に食い込むまでには至らなかった。初日フリー走行の順位は佐藤15番手、バトン16番手に終わったが、エンジンはトラブルフリーで、日曜日の決勝レースに向け順調なスタートを切った。
ジル・ド・フェラン B・A・R Hondaスポーティングディレクター
「今日は燃料の軽い状態でのセットアップでなく、レースに向けたセットアップとタイヤ選択に集中した。5週間走行していないエンジンだったこともあり、慎重な走りを心がけた。2台のマシンのバランスをより改善させるため、明日も作業を継続する」
中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリング・ディレクター
「エンジンは2台とも、今日のセッションを通し問題なく、午後の走行では十分な走り込みができました。今日は燃料を軽くしての走行は行いませんでしたから、このラップタイムはまずまずだと思います」