ブリヂストンの安川ひろしモータースポーツ・ディレクターによれば、先週末のモナコは、予選では目的を達せられなかったものの、レースでは強力なパフォーマンスを発揮できたので、それを今週末のニュルブルクリンクでさらに発展させられるだろうという。
「前戦のモナコは、予選では目的を達することができなかったが、レースでのマシンとタイヤのパフォーマンスはかなり強力だったので、パートナーチームと共に、今週末のニュルブルクリンクでそのパフォーマンスをさらに発展させられるだろうと確信している」と安川ディレクターは語った。
「ヨーロッパGPは、ミハエル・シューマッハーの郷里に近いため、重要なレースでもある。彼が故郷の観衆の前で活躍することになれば、とても素晴らしいと思う」
「さらに、モナコでは我が社のGP2タイヤが優れたパフォーマンスを発揮し、ドライバーたちからいくつかポジティブなコメントをもらっているので、今回もまたGP2シリーズのレースを見るのが楽しみだ」
全長5.148kmのニュルブルクリンク・サーキットは、F1カレンダーの中でも特にスムーズなコースであり、ブリヂストンは全コンパウンドの中で一番ソフトな方のタイヤを持ち込むことが必要となる。
ブリヂストンは1チームにつき2種類のドライ用スペックのグルーブドタイヤと、1種類のウエットとエクストリームウエット用のスペックを用意する。
菅沼寿夫テクニカルマネージャーは、次のように付け加えた。「このコースで鍵となるのはグリップなので、比較的スムーズな路面に合うように、コンパウンドの中から一番ソフトな方のタイヤを持っていくことにしている。しかし、このサーキットはタイヤにあまり厳しくないとはいえ、タイヤの摩耗に関する耐久性を見守る必要はあるだろう。ここでは、方向転換の際の安定性も重要になる」
「コース特性に加えて、山沿いゆえの変わりやすい天候も考慮に入れておく必要がある。天候次第で路面温度が20度を下回ることもあるし、晴れれば約40度に達することもある。だからタイヤは、広範囲の温度に対応できなくてはならない」
「今週末は、予選フォーマットが従来の2回から、レース用の燃料を積んで走る、土曜午後の1回のみに変更される。これがグリッドにどう影響するのか、興味深いところだ。去年のニュルブルクリンクでは、フェラーリのワンツーフィニッシュという、とてもいいレースができたので、今年も同様に活躍できればいいと思う」