2004年のモナコGPのウイナー、ヤルノ・トゥルーリは、ジャンカルロ・フィジケラをパスしようとしてマシンを損傷し、オーストラリアGP以来のポイント圏外でレースを終えなければならなかった。
序盤、着実に4位をキープしていたトゥルーリは、その後タイヤにトラブルを抱えたフィジケラに行く手を遮られることになった。そしてレース終盤、ついに我慢しきれなくなった彼は、よりにもよってロウズヘアピンという信じられないような場所でオーバーテイクを試み、縁石に乗り上げた時に自分の車にダメージを与えてしまった。結果としてオーバーテイクは成功したものの、その直後、彼はシケインで姿勢を乱して大きく順位を下げた。そしてハンドリングのアンバランスの原因を調べるためにピットインしたことで、彼のレースは事実上終わりを告げることになった。
「結果がどっちへ転んでもおかしくないレースだったが、残念なことに僕らにとっては悪い方へ行ってしまったようだ」と、ヤルノは英クラッシュネットに対して語った。「僕のペースならポディウムフィニッシュは十分に可能だった。ただ、残念ながらフィジケラがあまりにも遅すぎた。彼に抑えられている間にウイリアムズの2台に逃げられてしまったんだ」
「彼(フィジケラ)はタイヤに大きな問題を抱えていたが、僕の車には何も問題はなかった。あまりにも遅いのでとにかくイライラしていたよ。何度もオーバーテイクを試みたけど、彼はストレートが速いのでどうすることもできなかった。だから、彼を抜くとすればあそこ(ロウズヘアピン)しかなかったし、あの瞬間、彼の姿勢がわずかに乱れたんだ。結果として、残念ながら僕は自分の車にダメージを与え、それが原因でハンドリングが少しおかしくなってしまった」
最終的にトゥルーリは10位でフィニッシュし、レースウイナーのキミ・ライコネンに選手権2位の座を奪われたものの、まだポイントリーダーのフェルナンド・アロンソとライコネンに続く3位にいる。
「正直なところ、自分としては素晴らしいレースをしたと思っている。ただ、3秒も遅いドライバーに前を抑えられているのは楽しいことではなかったね。全然ペースは上がらないし、ズルズルとポジションを下げているのが分かっていても何もできないんだから」と、ため息をつくトゥルーリ。「今度はもっといい結果を残したいね。だけどモナコGPではしばしばああいうことが起きるものなんだ」