これまでの予想に反して、ビタントニオ・リウッツィが、今週末のヨーロッパGPも引き続き、デイビッド・クルサードの同僚としてレッドブル・レーシングから出走することになった。
同チームの“3レース計画”によれば、リウッツィはイモラ、バルセロナ、モナコの3戦に出場したため、次回はクリスチャン・クリエンが復帰するはずだった。しかしチームは、リウッツィの方がニュルブルクリンクでの経験を活かせると判断し、クリエンを呼び戻すのは、海外で行われるカナダとアメリカのレースまで延期することにした。
「両ドライバーがそれぞれ出走した3レースについて評価した結果、チームは、トニオ(リウッツィ)を、次のドイツでのグランプリでもレースドライバーとして続投することを決めた」とスポーティングディレクターのクリスチャン・ホーナーは語った。「クリスチャン・クリエンはその後のモントリオールでレースカーに復帰することになる。彼はこの3戦、第3ドライバーとしてチームに価値ある貢献をしてくれている」
というわけで、元FIA F3000チャンピオンのリウッツィは、ヨーロッパGPで4戦目のグランプリを迎えることとなる。しかし評論家たちは、彼の最近のパフォーマンスを見て、レッドブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツに与えてもらったチャンスを活かしきれていないと評している。デビュー戦では、BARホンダの失格によって幸運にもポイントを獲得したが、スペインでは序盤にスピンしてリタイアを喫し、モナコの週末はずっと、スターウォーズのカラーリングをまとったRB1をコントロールしきれていない状態だった。レースでは慎重にドライブしたが、終盤にバリアと接触し、4台目にして最後のリタイアとなってしまった。
リウッツィはこう報告している。「レースの最初からマシンのリヤと格闘していたんだ。タイヤの摩耗のせいでかなり滑っていて、マシンのバランスを保つのが難しかった。ファン−パブロやミハエルやラルフとバトルをしていたが、61周目にリヤタイヤが完全にイッてしまい、どうしようもなくなった。トンネルを出た後、バリアにヒットして、僕のレースは終わった。すごく残念だよ」
一方クリエンは、不本意に終わったデビューシーズンを過去のものとして、今年最初の3戦中2戦でポイントを獲得した。イモラからはリウッツィにシートを譲らなくてはならないことは、承知の上だった。過去3戦はレースには出場できなかったが、復帰したあかつきには、少なくともトップ8には挑戦できると期待している。
チームは、クリエンがカナダGPからレースドライバーに復帰することを明らかにしているが、彼がそこから何戦出場するのかは特定していない。