マレーシアGPで表彰台を獲得したトヨタのヤルノ・トゥルーリ。彼は、トヨタF1チームが常に大量ポイントを狙っていけるようになるためには、“セパンでの成績を深読みしすぎてはならない”と忠告した。チームにはまだ成すべき仕事があるからだという。
マレーシアGPで独走態勢から優勝を果たしたルノーのフェルナンド・アロンソに続き、トゥルーリは2位でフィニッシュしてトヨタに初表彰台をプレゼントした。だが、彼はこの躍進的なリザルトをチームと一緒になって祝い終えると、すぐにチームの気を引き締めた。彼は、選手権争いは非常に熾烈であり、TF105を改良する努力を継続していかなくてはならないと語った。
「まだやるべき仕事はあるけれど、トップ3に入ったのは当然ながら素晴らしいことだ」とトゥルーリ。「トヨタという選択は挑戦だった。でも、いくつかの理由と数名のスタッフの存在から、彼らを選んだ。それに、このチームは高いポテンシャルを秘めていると知っていたんだ」
「僕らはエンジン、シャシー、エアロダイナミクスの各分野の向上に取り組まなくてはならないと分かっている。しかし、それを可能にする人材――例えば(マイク)ガスコインや(ルカ)マルモリーニのような素晴らしくて経験豊かなスタッフや、多くの経験豊富なエンジニアが揃っている。初表彰台を獲得したことで、さらにチームの士気は上がるだろうし、正しい場所で機が熟したとは思っている。今回のレースは特にひどい暑さもあって、技術的にもっともタフなレースのひとつだと思っているからね。さらに、2戦目を戦うエンジンだったこともあり、チームにとってファンタスティックな結果だ」
「あんなコンディションにあっても、信頼性は非常に満足いくものだった。マルモリーニの仕事ぶりは素晴らしかったし、彼のクルーも冬期の間に素晴らしい仕事を成し遂げた。とはいえ、レースも半ばを過ぎた頃、僕は回転数を落とし、スピードを抑えてなんとかタイヤへの負担を減らそうとしたよ」
トヨタは2台とも、レースも残りわずかというところでタイヤに発生したブリスターに苦しんでいたようだ。しかし、その状況はオーストラリアGPの時ほど悪くはならなかった。トゥルーリはメルボルンで2番手からスタートしたものの、その後はやむを得ず後退し、ポイント圏外でのフィニッシュにとどまっている。
「最初からタイヤをセーブしていきたかった」とトゥルーリは明かした。「最初の10周はフェルナンドを追いかけようと努力した。でも、ジャンカルロ(フィジケラ)を引き離しながらも、フェルナンドのペースには追いつけないと考えたんだ。僕はただ、スピードを落としタイヤをセーブしたいと思った。その後、レースの中盤に大きなギャップを築いたところで、チームが“フロントタイヤに気を付けろ”と注意を始めたから、再びスピードを緩めなくてはならなかったよ。僕は自分のレースをまっとうするだけだったけれど、競争力はすごく高かったね。ライバルたちを引き離し、ギャップをコントロールしながら2位のポジションを守るのは、本当に簡単だった」