ルノーのフェルナンド・アロンソは、マレーシアGPで優勝してドライバーズランキングトップとなった。スペイン人ドライバーがF1チャンピオンシップを初めてリードするかという状況にありながら、彼はタイトル獲得の可能性を言及されても、浮かれた様子は見せなかった。
連続表彰台を獲得したアロンソは、僚友であるジャンカルロ・フィジケラを抑え、現在16ポイントでドライバーズランキングの首位に立っている。だが、「今年はミハエル・シューマッハーから王位継承できるだろうか?」と問われ、そういった話をするには時期尚早だと語った。
「まだ2戦しか終わっていないのだから、何も話せることはないよ」。アロンソはそう強調した。「けれど、僕は今までのキャリアでベストなポジションにいる。2003年シーズンは、コンペティティブだったレースもあったが、そうでないレースもあった。2004年シーズンは、序盤は競争力があったけれど、結局はチャンピオンシップを取れなかった。そして今年、現在のところは僕らが最強のようだね。チームはマシンを着実に進歩させ、2戦ごとに改良を加えていく予定だ。このままのペースをキープできれば、間違いなくチャンスを手にするだろうね」
「素晴らしい気分だよ。(ポイントをリードする)初のスペイン人ドライバーであるというだけじゃなく、チャンピオンシップの1位であることがね。若手ドライバーの誰もが、F1の世界チャンピオンシップリーダーになることを夢見ていると思う。その画期的な出来事を、僕は23歳という年齢で成し遂げた。あとはこのポジションをキープしてシーズンを終えるばかりだけど……。いつ、どこでそれができるのかは、分からないよ。でも、できるだけ早くチャンピオンシップ争いがしたい」
オーストラリアGPとマレーシアGPの2戦でフェラーリがパフォーマンス不足に陥り、アロンソとミハエル・シューマッハーの間には14ポイント差がついている。が、それでもアロンソは、フェラーリとシューマッハーの存在をタイトル争いから度外視することはできないとしている。
アロンソはその理由を次のように説明した。「今のフェラーリとミハエルが抱えている問題が解決したとき、彼らは誰にとっても手強い相手になると思う」
「(彼らが復調したときには)僕らはさらに難題を抱えることになり、残念だけど、昨年のようなレースを見せられるだろうね。僕らは、マシン、ペース、そしてパフォーマンスの向上に最大の努力を払う必要がある。フェラーリがあまり強くない間に首位の座を固め、ポイントを獲得しなくては」
第3ラウンドは、戦いの場をバーレーン・インターナショナル・サーキットへと移す。昨年、そのサーキットでルノーは苦戦を強いられた。それを踏まえてか、「さらにポディウムを獲得するチャンスがあるだろうか」と問われても、アロンソは用心深い態度を崩さなかった。
アロンソは、「もっと困難なレースになるだろうね」と認めた。「すごく強力なポジションでシーズンスタートを切ってはいるけれど、マレーシアでトヨタやウイリアムズ――それに、いつものようにマクラーレンやフェラーリ――の強さを知った。いまや競争は厳しいよ」
「バーレーンは昨年の僕らにとって最適なサーキットではなかったから、少しばかり苦しむと思う。それにヨーロッパラウンドに入ってからも、タフなレースが待ち受けるだろう。いつでも他チームが盛り返してくるからね。それでも今年は、全てが違って見える。ルノーのマシンはどんなタイプのサーキットにも適しているし、僕らがバーレーンで“本命”になれると、僕は信じているよ」