アレックス・シュナイダーがジョーダン・グランプリの新オーナーとしてF1入りすることにより、彼が拠点を構えるカナダの地元で、モントリオールからF1開催地の誉れを奪おうとする動きが盛り上がっているようだ。
カナダ国内のさまざまなメディアがグランプリをトロントに呼ぼうという試みとシュナイダーを結びつけて取り上げる中、モントリオール・ジャーナルは、レース地の変更に主催者側を動かすためにミッドランド・グループのトップがその新たなポジションの利用を頼まれたとまで報じている。こうしたアプローチはトロント地方のさまざまなビジネスにつながるものだが、ミッドランド・グループの広報担当であるハンネロレ・ギュド・ホヘンシナーは事実の確認を避けている。
シュナイダー自身は最近ある土地開発契約をまとめ‘地元’ビジネスマンとなったが、トロントへのグランプリ招致については具体化はいまだ遠いようだ。
「すべてまだ最近のことなので調査の時間も取れていないのだが、とりあえず見込みはありそうだ」とトロントのロン・ファインは地元紙のスター新聞に語っている。「トロント市にとってはすばらしいことになると思うが、実際にうまくいく話なのか、適正審査をパスできるのかを判断するのは、まだ時期尚早だ」
国内全域にわたるこうした報道の中には、レースがトロントとモントリオールで順番に開かれる可能性がある、というものもある。
「どんな形になるのかを話すのはまだ早い」と続けるファイン。「もちろん我々はF1を損ないたくない。レースをモントリオールから持ってくることがF1を損なうことになるのか?我々には分からない。こうしたすべてのことを検証する必要がある」
トロントは現在、エキジビション・プレイス周辺を拠点としたストリートコースでチャンプカー・ワールドシリーズの1戦を開催しており、F1においても同様の形になると見られているが、近場のモスポート・ロードコースでのイベント復活というのも候補として残っている。
モントリオール側は先ごろチャンプカー・ワールドシリーズをジル・ビルヌーブ・サーキットのイベントに加えたが、F1レースに関してはさまざまな論争が噴出し、特にスポンサーシップが問題になっている。昨年のイベントも、国内たばこ広告規制に関連する補償金をF1委員会が出すことになって初めて実現した経緯がある。