ルノーF1のボス、フラビオ・ブリアトーレが、今年は打倒ミハエル・シューマッハーを掲げるF1チームのリーダーとして活躍できると自信を深めている。
ブリアトーレは最近、F1にかかる莫大な費用、特にテクノロジー関連の費用について痛烈な批判を繰り返してきた。F1ファンのために、他のチームとともにフェラーリの独走体制に終止符を打とうと意気盛んだ。
ブリアトーレは英サンデー・テレグラフ紙に対し、次のように語った。
「重要なのは、F1を一スポーツに戻すことだ。ファンはいいレースを望んでいるのに、金のことや揉め事ばかり耳にする。いまやすべての金をテクノロジーに注ぎ込んでいるが、それがF1にとっていいことだろうか? 私はそうは思わない」
「ギヤボックスについてかなり議論しているが、ギヤボックスでレースに勝てると思ったことなどない。私たちのチームには800人から1000人の人間が2台のマシンの準備にあたっているが、人数的に多すぎると考えている。ひと昔前に戻って、いまの6割ぐらいの予算でやっていった方がいいと思う」
「私たちは、顧客が見たいと思うものを提供していかなければならない。最終レースでチャンピオンが決まるような白熱したバトルや、同じチーム内のドライバー同士の戦いだとかね。でも、それはフェラーリでは許されぬ行為となっている」
ブリアトーレによれば、成功の鍵は、彼がベネトンのボス時代、F1初勝利に導いたシューマッハーを負かすことだと言う。冬期テストでは、フェルナンド・アロンソとジャンカルロ・フィジケラが新型のR25で好タイムを出しているとあって、ブリアトーレは打倒シューマッハーに明るい見通しを持っている。
「いまはシューマッハーはいないが、代わりにアロンソがいる。私たちは同じ考えを持っているし、アロンソはそれを実行できる能力を持っている。他のチームも含めて、ミハエルにもっとプレッシャーをかけていかなければならない。昨シーズンなどは、窓から片手を出して運転しているタクシードライバーのようだったからね。楽に勝たせすぎた。彼にもっとプレッシャーを与えれば、(デイモン)ヒルや(ミカ)ハッキネンがやったように、きっと勝てるはずだ。私たちはF1のためにもそうしなければならない。今年はこれまで以上にうまくいきそうな感じがする」
打倒ミハエルに燃えるブリアトーレは、2005年シーズンの終了後、ルノーとの契約を更新したいと考えているかもしれない。
「私にとって、日々の戦いが魅力でありモチベーションとなっている。ベネトン時代もスーパーテック時代も、そしてルノーに戻ってからもそうだ。去年はコンストラクターズ選手権で3位だった。今年はマクラーレンとともにフェラーリと互角に戦えると信じている。是非フェラーリに勝ちたい」