F1世界選手権に対抗する新シリーズの立ち上げを計画している自動車メーカー連合に対して、新シリーズは失敗する運命にあるとの警告が発せられた。
オーストラリアGPを主催するオーストラリア・グランプリ・コーポレーションの会長ロン・ウォーカーは、記者会見の席上、グランプリ・ワールド・チャンピオンシップ(GPWC)シリーズはF1の脅威にはなり得ないだろうと述べた。
また、ウォーカーはオーストラリアGPがGPWCグループと何らかの交渉を行う意志を持たず、レースの開催についてはバーニー・エクレストンおよびFIAとのみ交渉していくと明言した。
「私たちはエクレストン氏と2010年までの長期契約を結んでおり、さらにその後の5年間についてもオプションがある。それに、私は実際問題としてメーカー連合がFIAからそうしたレースを行う許可を得られるとも考えていない」
「FIAの公認がなければ、それはインディやその他のローカルシリーズと同じであり、まったく取るに足らないものにしかならないだろう。誰かがそんな二流のレースに手を出したがるとも思えない。人々が望んでいるのはフォーミュラワンのレースなのだから」
「私たちメルボルンの主催者はGPWCと手を結ぶつもりはない。私たちはエクレストン氏との関係を維持していく」
ウォーカーは、GPWCの計画を推し進めるというメーカー連合の発表のウラには、以前から論争の種になっている利益の分配の問題があると睨んでいる。つまり、GPWCの計画は“分け前”を増やすことを目論んだ脅しにすぎない可能性があると考えているのだ。
「率直に言って、私にはこの計画が実現するとは思えない。これはエクレストン氏により多くの分け前を要求するための工作だと思う。ハッキリ言えば、自動車メーカーと銀行団の間で、エクレストン氏を脅迫するための陰謀が存在するようだ。おそらくこれは激化しつつある心理戦のひとつなのだ」