F1ブラジルGPは予選セッションが行われ、金曜日から速さを発揮していたフェラーリのルーベンス・バリチェロが母国GPでポールポジションを獲得した。
土曜日12時から行われた予選1回目の天候は薄曇り。気温28度、路面温度44度というコンディションで始まった。
フリー走行でクラッシュしたトップランナー、ミハエル・シューマッハーはスペアカーでアタックするが、1分10秒192という上々のタイムを叩き出す。ミハエル・シューマッハーはマシンと同時にエンジンも交換しているため、ルールにより予選2回目でトップタイムでも11番手からのスタートとなる。
続くアタッカー、ラルフ・シューマッハー、ジェンソン・バトンはそれぞれ前走者のタイムを上回れず。しかし4番手アタッカーの佐藤琢磨はセクター1が最速で、バトンをしのいで3番手となった。フェルナンド・アロンソは、シューマッハーの0.445秒遅れで最高位タイム。続くキミ・ライコネンは琢磨とバトンの間に割って入ってきた。
7番手アタッカーのファン−パブロ・モントーヤはコロンビアから大勢の応援団が詰めかけ気合いが入ったか、1分09秒台に入れるタイムをマークし、シューマッハーを下して堂々トップ。今週末初めて1分10秒を切ってきた。続くジャンカルロ・フィジケラはバトン、アロンソをしのぎ6番手に浮上。チームメイトのフェリペ・マッサはセクター1最速で、モントーヤに0・068秒足りず惜しくも2番手となった。マッサもブラジル出身だ。
F1のラップタイムの上昇の著しさは、ミナルディのタイムを計ると分かり易い。15番手アタッカーのジャンマリア・ブルーニの予選1回目はトップから3秒落ちだったが、それでも1分13秒を切り、去年のポールタイムよりはるかに速いのだ。ただし、チームメイトのゾイト・バウムガルトナーは1分13秒台だった。
17番手アタッカーは、今回がマクラーレンでのラストレースとなるデイビッド・クルサード。ライコネンをしのいで佐藤琢磨に次ぐ6番手に飛び込んでくる。そして続いてアタックに入ったバリチェロは、セクター2最速でモントーヤを0.040秒差を下す1分09秒822でトップに浮上! ドッと沸くスタンド。
結局その後のマーク・ウエーバー、リカルド・ゾンタともに沈み、バリチェロが暫定ポールを獲得。バリチェロから13番手ジャック・ビルヌーブまでが0.9秒弱の差をいう超僅差の予選1回目となった。
区間最速はセクター1がマッサ、2がバリチェロ、3がラルフ・シューマッハーとなっている。終了時、12時35分の路面温度は42度だった。
13時からの本予選。天候はやや日が射したものの曇り、気温28度、路面温度39度というコンディション。トップランナー、バウムガルトナーは1分13秒550というタイム。しかし続くブルーニはピットから出られず、ノータイムとなった。
前半10台の中でトップを奪ったのは、BARホンダのバトン。10番手アタックのバトンはターン6のバンプで跳ねてしまったが、1分11秒092で暫定トップに。ただし、セクター1、2最速ながらセクター3はアウトラップの方が速かった。以下アロンソ、ウエーバー、ビルヌーブらが続く。
バトンのタイムを上回ってきたのは、13番手アタッカーのライコネン。ターン8でミスをしたがセクター2、3最速で1分10秒892でトップに浮上。しかしチームメイトのクルサードはミスが多く、この段階で7番手に沈んだ。
15番手アタッカーの佐藤琢磨は1コーナーをややふくらみ過ぎたが、セクター2が最速でバトンに次ぐ暫定3番手に浮上してくる。続くラルフ・シューマッハーはセクター3最速ながら、琢磨には僅差で届かず。兄のミハエル・シューマッハーは右コーナーで前輪をロックさせ、ラルフの後ろとなった。
18番手にアタックしたザウバーのフェリペ・マッサはセクター1をなんと最速で通過。ライコネンに次ぐ2番手に飛び込み、母国の歓声を浴びる。
ライコネンをトップから引きずり降ろしたのは、19番手アタッカーのモントーヤ。セクター2最速でライコネンを0.042秒差に下して僅差のトップ!
そしてラストアタッカーのバリチェロはセクター1、2最速。モントーヤをさらに0.204秒差に下して、見事ポールポジションを獲得してみせた。バリチェロは2年連続、通算13回目のポールポジションを獲得。スタンドの観衆は狂喜乱舞だ。
フロントロウにはモントーヤ、2列目にライコネン、マッサが並ぶグリッドとなり、佐藤琢磨は6番手から決勝に挑むこととなる。シューマッハーは8番手となったため、グリッドは18番手に降格する。13時47分、予選終了時の路面温度は48度だった。