今季最終戦ブラジルGP初日午後のフリー走行で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが4番手、アンソニー・デビッドソンが5番手、佐藤琢磨が6番手タイムと、B・A・R Hondaの3台が揃ってトップ6入り。トラブルフリーで多くの周回を重ね、シーズン最後を締めくくる予選・レースに向けて、順調なスタートを切った。
例年なら3月に行なわれるブラジルGPだが、今年はシーズン最終戦として10月下旬の開催となった。南半球のサンパウロ市は、今が春。日中はともかく、朝晩はかなり冷えこむ陽気となった。それでも初日金曜日は晴れ間が広がり、昼前には一時27Cまで気温が上がった。
午前中のフリー走行では、路面に十分なラバーが付着していないにもかかわらず、走行毎にみるみるタイムが縮まって行く。1回目のセッションでトップだったJP・モントーヤ(ウィリアムズ)が、昨年R・バリチェロ(フェラーリ)が出したポールポジションタイムを1秒3も縮めるなど、全般にハイペース。B・A・R Honda勢は、デビッドソンが5番手。佐藤が8番手。バトンは14番手だった。
午後も明るい日差しが雲間から射しているが、時折りメインストレートを進行方向に向かって、比較的強い風が吹く。午後2時からのセッションでは、1回目セッションをさらに上回るペースで、週回を重ねる毎にタイムが速くなって行った。セッション開始後25分には、K・ライコネン(マクラーレン)が1分11秒台に突入。そして僅か100分の3秒差で佐藤、そのコンマ1秒落ちでバトンが続き、セットアップの好調な仕上がりを見せた。そしてバトンは、初日フリー走行の終了20分前に、その時点でトップだったM・シューマッハ(フェラーリ)を100分の1秒しのいでタイムシートのトップに踊り出た。そして最終的にトップタイムはフェラーリの2台に譲ったものの、バトン、デビッドソン、佐藤の順にB・A・R Honda勢が4・5・6番手を占め、シーズン最後を締めくくる予選・レースに向けて、順調なスタートを切った。
中本修平 エンジニアリング・ディレクター Honda Racing Development
「3台揃ってトップ6入りという、順調な1日でした。タイム差は非常に接近していますから、明日のバトン選手と琢磨選手のクルマをもっと速くしなければいけませんね。そしてこの1年間、金曜日のセッションを担当し、素晴らしい仕事をしてくれたアンソニー選手には、お礼の言葉を掛けたいです。彼がどんなに速く走れるのか、特に初めて走るサーキットで、見せてくれたことを嬉しく思います」