F1イタリアGPは金曜日のフリー走行1回目で幕を開け、フェラーリの地元勝利を狙うミハエル・シューマッハーがトップで1回目のセッションを終えた。
金曜日、午前11時のモンツァの天気は晴れ。気温23度、路面温度27度と絶好のコンディションとなった。
BARはホッケンハイムに持ち込んで、レギュレーションに抵触するとして使用を控えたFTTS(フロント・トルク・トランスファー・システム)を再度装着して来ている。今回はセンタークラッチを電子制御のハイドローリック(油圧式)とせず、メカニカルで作動させるようにしているシステムだ。このFTTSをサードカーを含む3台ともに装備。なお、今回アンソニー・デイビッドソンの操るサードカーのカラーリングは、レースカー2台とは別物となっている。
また、マクラーレン・メルセデスはノーズ形状を変更。ツルハシのようだった細いノーズはやや太くなっている。
そんな中で迎えたフリー走行1回目だが、前週3日間のモンツァ・テストがあったためかトップチームはインスタレーションラップ以外なかなか腰を上げようとしない。下位チームのマシンやサードドライバーが走行を続けるなか、まずは開始14分にジョーダンのティモ・グロックのマークした1分25秒のタイムを、ジャガーのビョルン・ウィルドハイムがブレイク。1分24秒9までタイムを縮めた。BARホンダのデイビッドソンがこの1分後に直角ターン7をコースオフしている。
しかしその2分後、コースに復帰した デイビッドソンが1分22秒843までタイムを縮めてトップに浮上。2番手はトヨタのライアン・ブリスコーで、1分23秒7のタイムだ。
セッションが始まって半分を過ぎると、上位陣が動き始める。シューマッハーがフェラーリのピットへ登場し、ヘルメットを被る。今回シューマッハーのヘルメットのカラーリングが通常と異なり、イタリアの三色旗を配している。
一度はザウバーのフェリペ・マッサがブレイクしたデイビッドソンのタイムを、デイビッドソンが再ブレイクしたころにフェラーリ勢がコースイン。開始39分には、シューマッハーがワンアタックで1分20秒526であっという間にトップに浮上。さらにチームメイトのルーベンス・バリチェロが0.64秒落ちの2番手に浮上。この2台が昨年のポールタイム1分20秒963をあっさりとブレイクしてしまった。
終了10分前まで不動の構えだったBARホンダ勢とマクラーレン・メルセデス勢は、この時間になってようやくコースイン。キミ・ライコネンの駆るマクラーレンの最高速は356km/hをマーク。ライコネンは一気に4番手へ、デイビッド・クルサードは12番手に入ってきた。
12時、チェッカーが振られる。結局シューマッハー、バリチェロのフェラーリ勢がワン・ツーとなった。佐藤琢磨は最終的に1.7秒落ちで11番手となった。8周を消化して1回目のセッションを終えている。
区間タイム最高はセクター1がルノーのヤルノ・トゥルーリ、2と3がシューマッハーとなっている。終了時の路面温度は34度だった。