F1ワールドチャンピオンのミハエル・シューマッハーが、先日フェラーリ2004をドライブしたロッシについて、「とてもいい印象を持った」と述べた。
フェラーリは、ロッシがフィオラノで行われたフェラーリの極秘テストに参加し、午後遅くにフェラーリ2004をドライブしたと発表した。正確なラップタイムについては明らかにされなかったが、ロッシは時折スピンをしながらも20周を走り、ミハエルのラップレコードに3秒遅れのタイムをマーク、彼に好印象を与えたようだ。
ミハエルはロッシのテストについて尋ねられると次のように語った。「彼はとても楽しんでいた。F1に慣れるまでもうちょっと時間がいるけれど、テストが終わるまでに好印象の走りを見せてくれた。彼がかつてカートをやっていたことは知っていたが、さすがレーサーの血が流れているだけあって、テストの終わりにはマシンを上手く操れるようになっていた」
ところで、ロッシは将来F1をドライブすることになるのだろうか?
「その質問に答えるのは簡単ではないと思う」とミハエル。「彼の才能は素晴らしい。レーシングバイクで何度もその才能を見せてくれているし、テストの時もある程度まで見せてくれた。恐らく彼はあるレベルまでは達しており、コンペティティブだと言えるだろうけれど、十分なレベルに達しているとはちょっと言い難い」
「でも、彼は今回、個人的にドライブを楽しみたかっただけなので、そうしたことはどうでもいいこと。きっと彼は昨日、鏡を前にしてニタリと満足げに笑っていたはずさ。今日はたぶん、首の痛みを治しているだろうね。それを別にすれば、彼にとって楽しい1日だったはずだよ」
またミハエルは、彼がロッシのヤマハYZR−M1をドライブするオファーを受けた場合、恐らく辞退するだろうと述べた。
「普段2輪に乗っている者が4輪に乗るのは極めて安全なことだと思うが、普段4輪に乗っている者が2輪をドライブするのはそうでもない。彼のバイクの加速を体験してはみたいけど、コーナリングを試したいとは思わないね」
今回のロッシのパフォーマンスを巡っては2つの見方がある。WRカーに少し乗っただけの彼は4輪の腕も優れているという見方がある一方、F1マシンのドライブは以前に比べてずいぶん簡単になったという見方だ。