芳しくない結果でシーズンスタートを切ったチーム・マクラーレン・メルセデスは、今週末のバーレーンGPが再び“正しい方向への転換”の一戦となることを願っている。
「マレーシアでは競争力を発揮でき、我々は正しい方向に動き出した」と、マクラーレンのマネージングディレクター、マーティン・ウィットマーシュ。「しかしながら、バーレーンGPではさらに再びパフォーマンスの向上を図りたい」
マクラーレンは先週、ポール・リカールでテストを行った。メルセデス副社長、ノルベルト・ハウグは同社の目標は1つだと明かす。
「マレーシアGP後に我々はポール・リカールでテストを行った。2台の車をアレックス・ブルツとペドロ・デ・ラ・ロサがドライブし、4日間で約2千kmを走りきった。我々の目標は、レースと予選での絶対的信頼性の達成であり、レースごとにラップタイムを改善していくことだ」と彼。「よって、バーレーンGPはあらゆる点でチャレンジとなる」
チームのナンバー1ドライバー、キミ・ライコネンもバーレーン行きを楽しみにしている。シーズンスタートが2戦2リタイアと悲惨な結果になっただけに、ぜひとも巻き返したいところだ。
「バーレーンGPは砂漠地帯だからまた暑いレースになる可能性があるが、マレーシアで体験したようなひどい暑さと湿気にまではならないだろう」とライコネン。「見たり聞いたりした限りではサーキット設備はすばらしいらしいし、ドライブしてみるとどんな感じなのか僕もとても興味があるよ」
「サーキット自体にはいろいろなチャレンジがあって、4本の長距離ストレートは終盤に真のオーバーテイクのチャンスがあり、裏コースにはいくつか高速コーナーセクションもあるようだ。面白いレースになるといいね。タイトな右コーナーに全車で突っ込んでいくハードブレーキングの前に、多分メインストレートから1コーナーでちょっとスピードに乗れるので、きっとスタートからいいレースになると思う。もう1カ所のオーバーテイクポイントは左の2コーナーだね。この前プロモーションの仕事でデュバイに行ったんだが、あちらでのモータースポーツへの熱狂ぶりはすごかった。それに、トラックの設計は観客の視点で作られているらしいし、きっと雰囲気もすばらしいイベントになると思うよ」
一方のデイビッド・クルサードは、ライコネンよりはましな2004年のスタートだったとはいえ、オーストラリアで8位、マレーシアで6位と、彼自身もチームも期待していたものとは程遠いリザルトとなった。チーム同様、クルサード自身も今週末に万全に備えようとハードワークを続けてきた。
「新しいサーキットだとレースの準備にも新たな要素が増える。事前にトラックを走れないからね。だがおかげでチャレンジへの興味が1つ増えるし、バーレーンGPをとても楽しみにしているよ」とクルサード。「サーキットに着いて僕が一番にすることは、エンジニアたちとトラックのレッキに出かけること。もちろんチームの本部で十分な準備はしてきているが、例えばコーナーがどれくらいタイトなのかとかブレーキングゾーンがどこなのかとか、本当に理解するには現場を見なければね」
「新しいイベントならどこでも、レースそのものを走ってみるまでは分かりにくい要素がもちろんいくつもあるものだ。バーレーンでは、周辺の砂漠からくる砂がどのくらい影響を与えるのかが分からないね。主催者側は対策を講じたと言っていたが、僕らは行って見るまで分からないと思っているんだ!」