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ホンダ甘口コラム:1992年以来のモナコGP優勝で得た3つの大きな意味

2021年5月31日

 ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レッドブル・ホンダの走りを批評します。今回はF1第5戦モナコGPの週末を甘口の視点でジャッジ。

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 ホンダがモナコGPを制した。今回の勝利はホンダにとって3つの大きな意味があった。

 ひとつは、F1ラストイヤーで伝統の一戦を制したことだ。ホンダが最後にモナコGPで優勝したのは1992年だった。2000年から2008年までの第3期F1活動時代には一度も勝つことができず、もし今年勝てなかったら、2000年代に入ってからホンダはモナコGPで勝利することなく、F1を去ることとなっていた。

 レース後の会見で田辺豊治F1テクニカルディレクターが「ホンダとしては、最後のモナコを勝てたことを本当にうれしく思っています」と語っていたことからも、ホンダが今回のモナコGPにいかに賭けていたかがわかる。

 2つ目は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が優勝し、ライバルであるメルセデス勢が不本意な結果に終わったことで、ドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の2つのタイトル争いで選手権リーダーとなったことだ。

 メルセデスのドライバー以外がドライバーズ選手権でトップに立つのは、2018年イギリスGP終了時点で選手権リーダーだったセバスチャン・ベッテル(当時フェラーリ)以来のこと。また、コンストラクターズ選手権でメルセデス以外のチームがトップに立つのも2018年イギリスGP終了時点で選手権リーダーに立っていたフェラーリ以来のことだ。

 当時のイギリスGPは10戦目で、その後、フェラーリは何度か自滅とも思えるようなレースを行い、一方メルセデスは磐石のレースを披露して、最終的にメルセデスが両タイトルとも連覇しただけに、レッドブル・ホンダがこの段階で選手権リーダーになったからといっても、まだまだ油断はできない。

 田辺TDも、「我々にとって23戦の中ではモナコは特別なレースでしたが、チャンピオンシップを戦う上では結局1勝は1勝です」と勝って兜の緒を締めていた。

 ただし、ホンダにとっては1991年以来の選手権リーダーであり、レッドブルにとっても選手権リーダーは2014年に始まったターボ・ハイブリッド時代で初めてのこと。

 普段は冷静なクリスチャン・ホーナー代表も「ホンダが強かった時代、私はまだ学生だった。ホンダが選手権リーダーになるのは、あのとき以来かあ」と喜んでいたように、ホンダだけでなく、レッドブルのスタッフにとってもモチベーションが上がる1勝となったに違いない。

 そして、3つ目は、ポルトガルGPとスペインGPで連敗した後の勝利だったことだ。

 田辺TDは今回の勝利の重みを次のように語っていた。
「今回のモナコGPは負けて、勝って、負けて負けてという中で迎えた一戦で、そこでまた勝つことできたということで、前を向いて両タイトルをいかに守っていくか、さらに頑張ろうという気にしてくれたレースだったと思います」

 もし、モナコGPでフェルスタッペンが優勝していなかったら、たとえメルセデスが優勝していなくとも、選手権でフェルスタッペンとレッドブル・ホンダがトップに立つことはなかった。そうなると、アゼルバイジャンで4戦中3勝し、復帰後のフランスGPでも連勝中のメルセデスは、モナコGPの後の2戦にリラックスとして臨むことができる。

 しかし、モナコGPでレッドブル・ホンダが勝ち、選手権を逆転したことで、メルセデスは久しぶりにプレッシャーがかかり、そのような状況ではモナコGPのバルテリ・ボッタスのホイールナットが取れなくなったような、普段は起きないトラブルやミスを犯すことも考えられる。

 そういう戦いに持ち込むことができたという意味で、モナコGPでの勝利はレッドブル・ホンダにとって、大きな意味を持った一勝となった。

(Masahiro Owari)




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