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F1名ドライバー列伝(1)アイルトン・セナ:王者プロストを青ざめさせた予選ラップ
2020年5月1日
2020年はF1世界選手権にとって70周年にあたる。その歴史のなかで、33人のワールドチャンピオン、108人のグランプリウイナーが誕生、数々の偉大なるドライバーたちが興奮と感動をもたらしてきた。この企画では、英国ジャーナリストのChris Medlandが何人かの名ドライバーを紹介、彼らが強い印象を刻んだ瞬間を振り返る。
連載第1回に紹介するのはアイルトン・セナ。1988年、1990年、1991年にマクラーレン・ホンダでタイトルを獲得し、日本でも非常に愛されたドライバーだ。41回の優勝を達成、ポールポジションは65回を記録し当時は歴代1位だった。セナは1994年サンマリノGPで大クラッシュ、5月1日に命を落とした。
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偉大なドライバーたちには、キャリアにおいて特別な瞬間が何度かあるものだ。なかでも頂点に立ったドライバーたちは、当たり前のように何度も特別な瞬間を生み出す。
アイルトン・セナは素晴らしいパフォーマンスを幾度となく披露し、多くの偉業を達成、F1史上最も優れたドライバーのひとりとみなされている。しかしそのキャリアのなかで一度だけ、周囲の人々だけでなく彼自身も驚くような出来事が起きた。その瞬間を取り上げたい。
1984年にデビューしたセナは、わずか6戦目にあたるモナコGPで、F1ドライバーとしての地位を確固たるものにした。激しい雨のなか、トールマンに乗るセナは、短縮されたレースで優勝の一歩手前までいったのだ。その時に勝利を手にしたのは、マクラーレンのアラン・プロストだった。
それから4年後、ふたりはマクラーレンのチームメイト同士となった。その年のモナコGPでは、いくつかの意味で世界中のファンを驚かせるような出来事が起きた。
ロータス時代にセナは6勝を達成、彼が才能あるドライバーであることを疑う者はなかった。しかし果たしてトップレベルのドライバーなのだろうか? 当時はそこまでは明らかになっていなかった。
マクラーレンに加入したセナはモナコまでの最初の3戦でポールポジションを獲得。開幕戦ブラジルはトラブルが発生したことからチームの規則違反が起きて失格になったが、第2戦イモラでは優勝を達成。続く第3戦モナコで、セナはその速さをより一層強く世界に印象付けることになる。
当時のマクラーレンは圧倒的な強さを誇り、セナとプロストの一騎打ちによるポールポジション争いが大いに注目された。ところが実際にはハラハラするような勝負が展開されることはなかった。セナが圧倒的な速さを見せつけ、プロストは全く歯が立たなかったからだ。
プロストは1分25秒425をマーク。しかしセナが24秒台を記録するのを見て、プロストは、なぜそんなことが可能なのかと途方に暮れていたという。ところがセナはさらにタイムを削り、1分23秒998をたたき出した。プロストとの差は1.427秒におよんだ。
プロストのマシンのエンジニアを務めていたニール・オートレーは、当時2回のチャンピオンを獲得していたプロストの顔が蒼白だったと、その日のことを振り返っている。
■速いだけではなく、人を引き付ける魅力を持っていたセナ
セナは、スピリチュアルな世界を持った人物で、精神集中をすることで、通常の意識から脱し、特別な境地に入ることができると考えていた。そうして自分がしていることを意識しないまま周回を重ね、ラップを走り終わると、無意識の世界から抜け出し、減速してピットに戻るというのだ。
そんなセナが、モナコの決勝日、圧倒的速さでトップを快走している時にクラッシュを喫し、レースを落とした。
この出来事を見て、セナもひとりの人間なのだということを、プロストは知り、安堵したのではないだろうか。同時にセナ自身も、それを思い知ったはずだ。
予選で無意識の境地に入ることができたのは、彼がマシンと一体になる力、マシンの力を最大限に引き出せる力を持っていたからだろう。
セナは、なぜ可能なのか他の人々には理解できないレベルにまで、自分の限界を押し広げることができた。彼自身、自分がなぜそこまで限界に迫れるのか分からないときがあったという。
最強チームに加入するやいなや、セナは当時最も優れているとみなされていたドライバーよりもはるかに速く走れる力があることを示した。一方で彼には非常にもろい部分があった。そこが人の心をとらえて離さない。
セナは、F1キャリアのなかで、ワールドチャンピオンシップを3回、優勝を41回、ポールポジションを65回獲得した、非常に優れたドライバーだった。その上、ファンを強く引き付けるようなオーラを備えた人物でもあった。複雑な魅力を持ち、目を離すことができないような個性を持っていたセナに、世界中のファンは永遠に魅了され続けるだろう。
■1988年F1モナコGP セナのポールポジションラップ
(Text:Chris Medland)
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7/5(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
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7/6(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
7/7(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |