メルセデスは、最近のスタート失敗の原因にいくつか理由が存在したが、明確なパターンは見当たらないと明かした。
5月の第5戦スペインGPから予選フロントロウを独占しているメルセデスだが、過去2戦のシルバーストーンとハンガロリンクでは、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが揃ってライバルの先行を許してしまった。
イギリスGPでは、抜群のダッシュを見せたウイリアムズのフェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスがメルセデス2台の前に立ち塞がり、続くハンガリーGPでもフェラーリ2台がシルバーアローの前に出た。
ハミルトンは、レッドブルリンクで行われたオーストリアGPでもチームメイトのロズベルグに遅れをとり、勝利を奪われている。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、ハンガリーのレース後に、スタート失敗について「受け入れがたい」と述べ、徹底的な調査を行うことを誓っていた。
「分析を行ったが、なぜ我々のスタートがうまくいかなかったのか、これだと断言できる要因はなかった」とウォルフ。
「スタートがうまくいかなかったのには、多くの様々な理由に加え、その時の状況も影響しており、これといったパターンはない」
「ハンガリーでは、3番グリッドと5番グリッドのベッテルとライコネンが素晴らしいスタートを決めたのに対し、全体的に右側のグリッドは動き出しがよくなかったので、おそらくそういう状況だったのだろう」
「もうひとつの影響は、スタートのやり直しだ。あれでルイスのクラッチがオーバーヒートし、彼のスタートのパフォーマンスが鈍った」
またウォルフは、次戦ベルギーGPから発効される新しいクラッチスタートのレギュレーションに関し、多少の不安も口にしている
「明らかに、全体としてスタート手順により多くの変更点がある」
「我々はFIAのレギュレーションを見たが、確かにより多くの変わりやすい状況がレースのスタート時にある」
新しいレギュレーションでは、ピットウォールからドライバーに対するアシストが限定されるほか、バイトポイントの変更もできなくなるため、今季9度のポールを手にしているハミルトンもスタート時の予測がさらに難しくなり、悲惨な状況に陥る可能性を秘めていると述べている。