2015 マレーシアグランプリ 決勝
フェラーリ、非常に暑いコンディションの下、2ストップ戦略で2013年スペイングランプリ以来の優勝を果たす
レース週末の開始から、卵が焼けるほどの熱い路面が続いた中、デグラデーションは限定的
メルセデスのハミルトンとロズベルグ、異なる戦略を採り、2戦連続で表彰台に
2015年3月29日、セパン
4度のワールドチャンピオンに輝くセバスチャン・ベッテルが、フェラーリにとっては2013年のスペイングランプリ以来、そして、自身にとって2013年ブラジルグランプリ以来の優勝を果たしました。ベッテルは、非常に暑いコンディションの下、粗い路面のサーキットで2ストップ戦略を使用して、メルセデスの両ドライバーを破りました。P Zeroホワイト・ミディアムタイヤでスタートしたベッテルは、17周目にミディアムへ、37周目にP Zeroオレンジ・ハードタイヤへ交換してフィニッシュしました。ベッテルは、キャリア通算40勝目、マレーシアでの4勝目を挙げて、マレーシアグランプリ史上最多優勝ドライバーとなりました。
ポールポジションからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンは、3ストップ戦略を採り、2位を獲得しました。チームメイトのニコ・ロズベルグは、ハミルトンとは異なる3ストップ戦略で3位フィニッシュしました。最終スティントでハミルトンがハードを使用したのに対し、ロズベルグはミディアムを使用しました。
決勝は、昨シーズンの最も暑かったコンディションに匹敵する路面温度56°Cの下でスタートしました。ピレリがインスタグラムで紹介したように、卵が焼けるほどの熱い路面だったにも関わらず、レースを終えたタイヤにはブリスターもグレイニングも発生していませんでした。
ハードタイヤでスタートして、リタイヤするまでポイント圏内を走行していたマクラーレンの両ドライバー以外の全ドライバーは、ミディアムタイヤでスタートしました。
レース序盤の3周に渡るセーフティーカー導入周回は、デグラデーションの抑制を助けるとともに、タイヤ交換の機会を提供しました。このタイミングで、フェラーリのセバスチャン・ベッテルを除く上位勢の多くがピットストップを行いました。メルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは、ともにピットストップを行い、ハードタイヤへ交換しました。
ベッテルは、首位のまま最初のピットストップを行い、メルセデスの両ドライバーに続く3位でコースに戻り、ミディアムタイヤのスピードを活かしてトップに迫り、再びアドバンテージを手にしました。ベッテルは、2回目かつ最終ピットストップでハードコンパウンドへ交換し、ハミルトンに続く2位でコースに戻りました。その1周後にハミルトンがハードタイヤへ交換するピットストップを行い、ベッテルは首位に立ち、タイヤ戦略が中心的な役割を演じたレースを制しました。
トロ・ロッソのマックス・フェルスタッペンは、3ストップ戦略を採り、これまでのダニール・クビアトの記録を破り、17歳でFormula One史上最年少のポイント獲得ドライバーとなりました。フェラーリのキミ・ライコネンの採った3ストップ戦略も成功し、オープニングラップでの他車との接触によるリアタイヤのパンクのためにピットストップを余儀なくされ一時は最後方を走行しながらも、4位でフィニッシュしました。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント:
「今日、我々は自分達の役目を果たすことができたと思います。レース序盤のセーフティーカー導入の影響で異なるアプローチとなった、フェラーリとメルセデス間の戦略の競い合いは素晴らしかったです。シーズン中でも屈指の高い路面温度にも関わらず、タイヤにはブリスターもグレイニングも発生せず、2ストップ戦略は、単に実行可能であっただけでなく、勝利の戦略となりました。異なるタイヤ戦略が優勝を懸けたエキサイティングなバトルを演出し、効果的なタイヤの使用が勝敗を左右することをあらためて示しました。フェラーリとセバスチャン・ベッテルにとっての記念すべき勝利を祝福したいと思います」